子どもに自分で自分を守る力を身に付けさせるための安全教育とは
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年齢が高いほど幼児・児童の「不慮の事故」に遭遇しやすい
厚生労働省「平成25年人口動態統計」子どもの死因順位の上位に「不慮の事故」が入っています。死因順位を年齢別に見ると、0歳では第4位、1-4歳では、第2位。5-9歳では第1位です。年齢が高くなればなるほど、不慮の事故に遭遇しやすいことがわかります。
(消費者庁:「子どもを事故から守る!プロジェクト」資料参照)
なお、不慮の事故の原因で最も多いものは、5-9歳で「交通事故」。次いで2位は、「不慮の溺死・溺水」となっています。なぜ、年齢が高くなるほど不慮の事故に遭遇しやすくなるのでしょうか?
子どもの活動範囲の広がりや好奇心の高まりが事故を招く
それは、子どもの活動範囲が広がっていくから、とも考えられます。また、好奇心が旺盛である、などの子どもの特徴も要因の一つでしょう。
事故は、子どもの発達段階や特徴が大きく関係していると言われています。
例えば、3歳過ぎからの子どもは、周囲の判断状況が不十分で、特に何か一つの行動をすると前後のことがわからなくなりがち、という特徴があります。ですので、この時期の子どもは、ボールをおいかけて、道路に飛び出してしまいがちなのです。
大きくなるにつれて大人が目を離す時間が増えるので限界がくる
また、大人が見ている時間が少なくなったためではないでしょうか。大きくなるにつれ、大人が子どもを見ている時間が少なくなります。公園で遊んでいても、ずっと子どもを見なくなるでしょう。また、小学生になると学校や習い事などへ一人で行くようになります。自宅に一人で留守番をすることもあるでしょう。
このように、一人で行動する時間が増えるのです。ですので、どうしても大人が子どもを守ることの限界がくるのです。
子どもが自分で身を守るための知識を身に付けさせよう
では、どうしたらいいのでしょうか?やはり、子どもが自分の身を守ることができる知識を身に付けることが重要なのではないでしょうか。
私が、日々、ベビーシッターとして2か月から小学6年生の子どもたちと接しています。幼稚園、保育園、学童、習い事への送迎もします。徒歩のみの場合もあれば、電車、バスを利用することもあります。また、公園で遊ぶこともあります。
このとき、心掛けていることが二つあります。一つ目は、「命は大切にする」ということを通耐えることです。ケガをしたり、死んでしまったらどれだけの人が悲しむかを伝えて、命を大切にする意識を持てるようにします。
二つ目は、子どもの発達に合わせて「ルール」などを伝えることです。交通ルールであれば、「青信号はすすめ、赤信号は止まれ」「急に道路に飛び出してはいけない」などです。
また、「車の下、後ろなどは、危険」「川の近くも危険」など危険な場所についても教えます。
なぜ、危険なのかも、子どもがわかるように説明します。
子どもの発達に合わせた伝え方をすることがポイント
ここまで読まれると、ほとんどの保護者の方は「やっている」と思われることでしょう。そこに、二つ付け加えていただきたいのです。
一つ目は、子どもの発達に合わせた伝え方をすることです。要するに、伝わる伝え方をすることです。
急に飛び出そうとした子どもに「危ない!」「飛び出さないの!」と言ったとします。ですが、幼児は、抽象的な言葉だけでは理解できないのです。ですので、子どもの年齢に合わせて説明をしてあげることが大切です。
例えば2歳の子どもであれば、「車は急に止まれないから、飛び出すと車とごっつんこして、血がいっぱい出て痛いんだよ。そして、病院に行かなくちゃいけなけなくなるの。」と説明してあげるのです。
子どもが小さいころから繰り返し伝える
二つ目は、小さいころから繰り返し伝えることです。
2,3歳から一緒に歩くときには、交通ルールを伝えるようにしましょう。そうすることで、4歳くらいには、しっかり習慣として身についてきます。(個人差がありますので、年齢は目安です)
子どもは、気分によってできなくなることもあります。また、いつもと違う場所だとできなくなることもあります。ですので、体が勝手に反応するくらい、しっかりと身に付けさせてあげるのです。
また、小学生くらいになれば、自分の行動がどういう結果になるのかを考えさせるようにしましょう。これも、日頃から繰り返し行うのです。
例えば、ブランコで立ちこぎをしながら、ジャンプをして飛び降りたらどうなるか、などです。運良く着地できればいいですが、ブランコの周りを囲むフェンスに頭をぶつけてしまうこともあります。
この繰り返しにより、考えて行動することができるようになります。
子どもは、かけがえのない存在です。ですが、いつまでも大人が守ってあげることはできません。いつかは、大人になるのです。ですから、自分で自分を守る力を付けさせてあげましょう。
これをすることで、不慮の事故も減ります。さらに、命を大切にすること、自分を大切にすることにもつながっていきます。自分を大切にすることで、他人を大切にすることもできるようになるでしょう。
幸せな親子関係をサポートするベビーシッター研究家
参納初夏さん(株式会社ファーストウォーク)
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