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  1. 代理出産が日本で認められない理由。問題点と成功率や費用なども

代理出産が日本で認められない理由。問題点と成功率や費用なども

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くらし
{代理出産とは?メリットデメリットなど}

日本ではなく海外で代理出産をして母になった芸能人

アメリカではキム・カーダシアンとカニエ・ウエスト夫妻やサラ・ジェシカ・パーカーなど、代理出産を選択して子供を持ったセレブリティーが多く存在します。

日本では元プロレスラーの高田延彦さん・女優の向井亜紀さん夫妻が2003年にアメリカにて代理出産により双子の男児を授かったのを皮切りに、最近では「情報ライブ ミヤネ屋」で有名となったフリーアナウンサーの丸岡いずみさんが、夫である映画コメンテーター・有村昆さんとの間に、2018年に代理出産で第一子を授かりました。

丸岡さんは二度の流産と不育症、不妊治療を経験した後に代理母出産を決断し、ご夫妻の凍結保存していた受精卵を注入する方法でロシアの代理母に依頼して代理出産に至りました。

代理出産とは?日本での法整備はどうなっているの?

「代理出産」や「代理母出産」という言葉を聞く機会はあり、その意味もなんとなく把握しているけれど、その定義や具体的なやり方についてはよくわからないという人が多いのではないでしょうか。

代理出産の定義を一義的に表すことはできませんが、出生した子を引き取って自らの子として育てることを前提とした上で、妻以外の女性に妊娠及び出産をしてもらうこと、と言うことができます。

定義が定まっていない理由としては、日本においては代理出産に関する法規定は存在しておらず法整備が整っていないことと、倫理的な観点から政府や日本産科婦人科学会が原則禁止としているだけという現状があるからです。

過去に自民党が代理出産などの生殖補助医療に関する法案をまとめて国会に提出する動きがありましたが、現在も実現には至っていません。

代理出産のやり方はサロゲートマザーとホストマザーの二種類

次に代理出産のやり方について説明していきましょう。代理出産にはサロゲートマザーとホストマザーという二つのやり方があります。

一つ目のサロゲートマザーは、代理母となる女性の子宮に人工授精で夫の精子を注入して妊娠及び出産するやり方で、生まれてくる子は夫とは血縁があるものの、妻とは血縁がありません。

二つ目のホストマザーは、夫の精子と妻の卵子を体外受精させてできた受精卵を代理母の子宮に注入して妊娠及び出産するやり方のため、夫も妻も生まれてくる子と血縁関係にあることとなります。

代理出産にはメリットがある一方で倫理的、親子関係など多くの問題を抱えている

代理出産はガンなどによって子宮を摘出したり膣欠損症といった生殖器の病気を抱えている女性や、不妊症や不育症のためなかなか子宝に恵まれない女性にとってはありがたい医療技術です。

しかし、決してメリットのみがあるわけでなく、問題もいくつかあります。生殖補助医療には主に宗教的観点や倫理上の問題点、出生する子の生活環境や福祉の問題、妊娠及び出産に関わる心身のリスクを代理母が背負うことへの問題や、母親を誰とするかという親子関係の問題が挙げられます。

また、代理母が産んだ子に対して愛情が芽生えて引き渡しを拒否するケースや、逆に依頼した夫婦が障害などを理由に出生した子の引き取りを行わないという問題も起きているのです。

高額な代理出産費用の問題と成功率

{代理出産の費用と成功率}

代理出産は、子供を望みながらもさまざまな理由により、叶えることが難しい人にとっては希望の光ですが、相当の費用がかかるという現実があります。

2000年代前半は、日本人夫婦が代理出産を希望する場合はアメリカで行うのが一般的でした。現在は費用が抑えられるという点から、ロシアやウクライナといった東欧、タイなどの東南アジアでの代理出産が増えています。

費用はアメリカが一番高く、約2,000万円とかなり高額です。ロシアでの費用は約500~1,000万円、東南アジアの場合は費用が抑えられて約200~600万円となっています。また、代理出産の成功率に関するデータは、提供している医療施設や斡旋業者によって異なるので一概に何パーセントというのは難しいところがあります。

しかし、代理出産が可能な国の中ではアメリカでの成功率が高く、信頼のおける医療施設で質の高い受精卵と若くて健康状態が良好な代理母といった条件が揃えば、一度の胚移植で約75~85%と言われています。

代理出産は罪にはならないが「子の母親は誰か」という問題が常に根底にある

先に述べた通り、生殖補助医療に関する法規定は日本には存在しません。日本産科婦人科学会が指標を示して自主規制しているだけなので、実際に日本で代理出産や卵子提供といった生殖補助医療を行っても犯罪になることは現行法下ではありません。

しかし、罪に問われないとはいえ法整備が進んでいないので「子の母親は誰なのか」という問題が常につきまといます。

日本の民法は明治時代に制定されたため、現在のような生殖補助医療を想定しておらず「生まれた子を懐胎し、出産した女性が母である」という解釈以外認められません。そのため、卵子提供者と出生届を提出する子の母が同一人物であっても、親子関係を認定することができないのです。

アメリカでホストマザーのやり方で代理出産を行った高田延彦さん・向井亜紀さん夫妻は、品川区役所に出生届を提出しましたが受理されなかったことから最終的に最高裁判所まで争いました。

東京高等裁判所が嫡出子と認めると一度判断したものの、結局は最高裁で現行民法下では母子関係を認められないとして訴えを退けられたのです。最終的に血縁上は実子であるものの、高田さん夫妻は特別養子縁組という方法を選択しました。

※特別養子縁組……生みの親との法律関係を解消する養子縁組で、戸籍上は実子と同じ親子関係を結ぶ養子制度。6歳未満の子供にのみ適用される。

日本にとって代理母などの法整備は喫緊の課題

高田さん夫妻が代理出産によって授かった子供の出生届受理について最高裁まで争い、判決が出たのは2007年3月です。

最高裁では実子としての届出を認めないという判決が出たものの、「立法による速やかな対応が強く望まれる」としており、医療技術が進む中で生殖補助医療に関わる法整備の必要性に触れました。

それから10年以上の月日がたっていますが、日本ではいまだに禁止するとも許可するとも結論が出ていません。諸外国では禁止にせよ容認にせよ、生殖補助医療に関する法整備をする中で、法整備が進まない日本はかなり特異な存在といえます。

少子高齢化や高齢出産の増加といった現状も含め、代理出産や卵子提供の法整備は喫緊の課題です。国としても早々に指針や指標を示すべきと言えるでしょう。

永野海

交通事故と債務問題のプロ

永野海さん(中央法律事務所)

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