“スーパーフード”ブームが寄与した新しいインナービューティーの要素とは?
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いわゆる“スーパーフード”は、日本では、栄養バランスに優れた栄養価の高いものという曖昧な定義が浸透しており、加えて海外では、“海外の珍しいもの”という概念もあります。改めて“スーパーフード”について紐解き、一大ブームによって新たに注目されたインナービューティーについて、解説します。
混乱する日本のスーパーフード市場と食文化の関係
海外で美容や健康に良いとして話題になり、日本でも2015年ごろから沸き立ってきた“スーパーフード”。ココナッツオイルをはじめ、キヌアやチアシードが日本でもメジャーになりました。
これまでにも何度か書いてきましたが、スーパーフードには世界的にも定義がなく、いろいろな見方があります。一般的には、“栄養価が高い海外の珍しい製品”というカテゴライズが浸透しているように思います。インナービューティーの先進国でも、こういった概念が一般的で、南米やアフリカ、アジア古来の食材が人気になっています。日本でも海外製品が人気になるのと同じです。
日本ではある種の“美容・健康用語”として定着しつつあるスーパーフードですが、海外ほど継続的に伸びてはいません。
それはなぜか…。先ほどのカテゴライズに沿って述べるとすれば、インナービューティー先進国では、健康ブームであるということはもとより、こういった食材が日常の食生活に合っているため、取り入れやすいという点から根強い人気となっているのです。日本で、継続的に摂取しやすくするには、ブランドストーリーや製品の質など、企業側も説明を十分にしていくことが大切です。
日本の身近な食材も“スーパーフード”として海外で話題に!
先述のカテゴライズにより海外で“スーパーフード”として話題になっている、日本で昔から日常的に食されているものがあります。
以前も少し紹介しましたが、昆布(海藻類)・ターメリック・ケールなどが海外で人気となっており、日本とは少し異なる方法で摂取されています。昆布は昆布茶(ご存知の方もいらっしゃると思いますが、KOMBU-CHAという表記で売られています)としても身近ですが、そのほかの海藻類はスナックやサプリメントとして摂取されています。“スーパーフード”として名が広まったスピルリナもサプリメントが主流です。
ターメリックについては、日本ではウコンと呼ばれることが多いですが、カレーなどもスパイスとしてだけでなく、同じようにサプリメントとして話題になっています。ケールは野菜の一種で、日本の青汁などに入っている代表的な原材料ですね。海外では、グリーンスムージーや前回記述したグリーンフードとして、ナチュラル&オーガニックのケールが好まれるようになりました。
このように、日本で身近な食材も海外に行けば“スーパーフード”として人気になっていて、ある意味ファッショナブルな需要があります。企業向けに言えば、日本のこういった食材は海外でチャンスがあり、消費者の方に向けて言えば、目新しいものでなくても美容や健康に良いものを手軽に摂ることができます。
原点回帰として、改めて日本の食材や日頃食しているものから“スーパーフード”として再注目するのも良いでしょう。
身近な食材からも効率的に豊富な栄養素を摂る術を知ろう
海外の健康ブームでは、目新しいものに注目があつまる反面、身近な野菜や果物などが健康・美容食材として再注目されている流れがあります。私はこれを「インナービューティーの原点回帰」と呼んでおり、以前のコラムにも書いたように、従来スーパーフードと呼ばれていたものは意外と身近な食材から抗酸化栄養素を摂取することがありました。
こういったことから混乱を防ぐために、私はこれらを「ビューティーフード」と定義し、当社でもこのような身近な美容フードについて学べる履修プログラム『ビューティーフードIQ120』を提供しています(俗に言う“スーパーフード”もこれに含まれるものもあります)。
抗酸化栄養素とは、例えばカロテノイド系の栄養素で、一般的な野菜や果物のほか、前章の海藻類や鮭なども含まれ、日本で日常にありふれている食材です。つまり、俗にいう“スーパーフード”だけに拘らずとも、手軽に美と健康を追求することができます。そのために、ただ単にそれらを摂取するだけでなく、その本質や効果的な摂取方法など知っておく必要があります。
インナービューティー先進国で注目されている次世代スーパーフードとその方向性
以前、グリーンフードついても書きましたが、インナービューティーを達成する一つの要素として、環境や社会貢献への観点からもサステナブル(持続可能)かどどうか(サステナブル)という視点も沸き立っています。
この分野は、特に美容やファッションなど嗜好品業界では、世界的にもほかの業界に比べて非常に遅れをとっている現状があります。環境に配慮したという点で見れば、ナチュラル&オーガニックな製品(農業認証による)が挙げられるでしょう。
このほかに最近では、グリーンフードをはじめとした『グリーンビューティー』のほか、現地コミュニティへの社会貢献や生物多様性などの環境保全という観点でも注目されています。アフリカに自生する「アランブラッキア」という実からできる製品開発のために、日本の大手消費財メーカーが官民パートナーシップを組み、アフリカ人コミュニティにおける社会的利益と家庭生活の向上、森の野生樹木の保護、森林伐採や間伐地帯への植樹などを通じて生物多様性を維持する森林風景保護などの取り組みが、環境問題において大きな話題となっています。
アランブラッキアは、ある意味新種の“スーパーフード”とも言えかねないですが、製品としてはその実から採れる油からマーガリンのような製品が開発されています。自動車業界のように、ほかの様々な業界で「次世代」というワードが目につく昨今ですが、先端技術によるものだけでなく、いまやサステナビリティを重視することが“次世代”と言われる時代になりつつあります。こうしたことから、今後はよりサステナブルな食材や製品が出てくるでしょう。単に“珍しいもの”という視点だけでなく、次世代スーパーフードにも注目が集まりそうです。
語学に強い、美容・食のマーケティングスペシャリスト
長井美有紀さん(Myuty-Chic株式会社)
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