世界人権デー 子どもの頃から人権の大切さを学ぶことの重要性
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人権とは?改めて考えたことはありますか?
「人権」、というと聴き慣れた言葉ですし、大事なものというイメージは皆様お持ちのことと思います。ただ、それでは、「人権」とはどんなものか?と言われるとなんとなく頭でわかっていても説明が難しいのではないでしょうか。
「人権」とはおおむね「すべての人々が生命・自由を確保し、それぞれの幸福を追求する権利」・「人間が人間らしく生きる権利であって、生まれながらに持っている権利」といえると思います。憲法でも基本的人権については重要なものという位置づけのもと、表現の自由や学問の自由など様々な権利が国家との関係で保障されると規定されています。
この「人権」はかけがえのないものであって、一人一人の「人権」が大切なものといえます。日常の生活でいえば、「自分だけでなく他人の命・身体を大切にすること」「分け隔てなくみんなと仲良くする」といったことが人権を尊重することにつながってくると思われます。
この「人権」の大切さについては、抽象的にわかっていても、日常生活で実践できないと意味がないものです。そのため、学校教育においても、人権や人権用語の大切さを単に知識として学んで理解するというだけではなく、人権の大切さを感じ取り、共感的に受け止められる感性を養うとともに、実践するといった態度・行動ができるようにすることが必要になってきます。
小学校で取り組んでいる人権教育
小学校では、こういった人権感覚を磨くとともに、実際に他の人の権利への配慮を行うことができるような教育を各地で工夫して行っています。実際の取り組みについては文部科学省の「人権教育に関する特色ある実践事例」で具体的に紹介されています。
たとえば、子ども同士がペアになって話し合いをするなかで、自分の意識・考えがどう変化していくかを客観的な視点でみつめさせることによって、今までの自分の振り返り・これからの自分はどうあるべきかを考えさせる取り組みだったり、年齢を超えてグループを作って行動させることで、年齢に応じた役割を持たせたり協力する場を作る、といった活動が紹介されています。
興味深かったのは、こういった人権教育は道徳の授業として取り入れることが多いように思いますが、道徳以外の科目(算数など)で仲間の考えを受け入れることで自分の考えが正しいかを再考したり、仲間に教えるなどの関わり合い・学び合いの機会を設けることで、「授業がわかるようになった」「楽しくなってきた」という反響もあったということでした。
家庭でもできる人権教育
こうしてみると、人権教育というのは難しいものではなく、日常生活でも十分実践できるものといえるでしょう。
家庭においても、親御さんとしてもお子さんとコミュニケーションがとり、些細な話・意見でもきちんと受け止められる家庭環境を作ることが大切でしょう。
また、世代を超えたコミュニケーションを取れる場がかつてと違って限られていると思いますが、地域での活動への参加を通じて、違う立場・年齢の方の様々な意見・考えが聞ける機会をできるだけ作ることも必要ではないかと思います。
逆風を追い風に変える弁護のプロ
片島由賀さん(勁草法律事務所)
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