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発達障害の上司や同僚への接し方に困っていませんか?パターン把握と気遣いが解決へのカギ

カテゴリ:
メンタル・カウンセリング
キーワード:
発達障害 診断
発達障害 支援

仕事をする際、業務そのものが大変な場合も多いですが、それと同じくらい人間関係で悩む方も多いはずです。上司、または同僚の行動や言葉が自分には納得いかないこともあるでしょう。人間同士、考え方は違って当然です。しかし、上司や同僚の言動がきっかけでトラブルにつながることが多ければ、発達障害が原因になっている可能性があります。
そこで、この記事では上司や同僚が発達障害だった場合の接し方について解説していきます。

近年問題になっている大人の発達障害

近年、「発達障害」という言葉を耳にすることが増えました。日本で「発達障害者支援法」が施行されたのが2005年のことであり、比較的新しい概念と言えます。それゆえに、「発達障害」であっても子どもの頃に見逃され、適切なサポートを受けないまま大人になってしまった例も少なくありません。自覚がないまま社会に出てしまうことで本人も周囲もとまどい、最終的にトラブルになってしまうこともあります。これが、近年問題になっている「大人の発達障害」です。

職場で以下のような特徴を持つ人がいる場合、発達障害かもしれません。

・複数で行う業務が苦手、グループでの活動になじめない。
・会話がうまくかみあわない。
・相手が傷ついてしまうようなストレートな言葉が多い。
・あいまいな表現、冗談などが通じない。
・空気を読めない。
・人の話に関心を示さず、自己流で物事を進める傾向がある。
・細かいところに注意を払うことができずミスが多い。
・同じミスを繰り返す。
・締め切りなど期日や時間、約束を守れない。
・順序だてて物事を進めることが困難。
・スケジュール管理が苦手。
・短気で怒りっぽい、気分が不安定でよくイライラしている。

いくつか挙げましたが、人それぞれ性格が異なるように、発達障害の特徴もさまざまです。得意分野など、ひとつのことへの集中力が高く良い成果を挙げる人もいます。また学生時代から成績優秀で、医師や研究者といった専門分野で活躍する人もいます。

発達障害は心の病気ではなく、先天的、つまり生まれつき脳の発達に障害があることが原因となっています。そのため、本人の性格に問題があるわけではありません。

発達障害とは?自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)について

発達障害は「自閉症スペクトラム障害(ASD)」「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」と3つに分類することができます。それぞれの特徴についてご説明します。

自閉症スペクトラム障害(ASD)

対人関係、コミュニケーションに問題があることが多いです。相手の気持ちを察することができない・場の空気を読んだりすることができない・相手の言葉をそのまま受け取り冗談が通じない・こだわりが強く、決められた予定が変更されるとパニックになるなどの特徴があります。

発達障害と聞くと、アスペルガー症候群との違いは何か気になる方もいるかもしれません。実は、以前はアスペルガー症候群・高機能自閉症・カナー型自閉症など別々の診断であったものが、その症状の多様性と連続性から2013年より自閉症スペクトラム障害(ASD)に変更されました。

これはアメリカ精神医学会の診断基準に基づくもので、イギリスなど一部の国ではアスペルガー症候群という診断名が使われています。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

「不注意」「多動性」「衝動性」の3つが大きな特徴です。「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」の具体的な行動としては、集中することが苦手・忘れ物が多い・自分の興味があることには集中するが切り替えができない・じっと座っていられない・公共の場でも静かにしていられない・場の状況に関係なく思いついたことを発言したり、急に行動したりする・急に怒り出す、といったことが挙げられます。その内の「多動性」については年齢と共に軽減されることが多いようです。

学習障害(LD)

「読字障害」「書字障害」「算数障害」が主な特徴です。読む・書く・話す・聞く・計算し推論する力のうち、一つまた複数の使用・習得に困難を持っています。いわゆる知的発達の遅れはないものとされています。

発達障害の上司・同僚との接し方

「大人の発達障害」が問題になるのは、主に仕事の場面になるでしょう。なぜなら、家族は子どもの頃から接しているので、「この子は少し変わっているけどこういうタイプなのだ」と受け入れているケースが多いと思います。また、友人も関係が続いているのであれば、その特徴を受け入れてくれているということです。

しかし、仕事となるとそうはいきません。

上司が発達障害を抱えていた場合、ミスが頻繁にあったとしても、部下から注意することはなかなかできません。そこで、接する際には以下がポイントになります。

発達障害の人のパターンを把握しておく

まず、相手が発達障害かを把握しておく必要があります。すでに紹介した発達障害の3分類の他、以下のパターンに該当しないか確認してみましょう。

職場では、上司や同僚・部下の言葉や態度から思いを推し量り、時には駆け引きをしながら対処する、仕事の優先順位を決めて、突発的な仕事にはその都度対応する、退屈な会議も興味があるように振る舞うなどの対人スキルが必要ですが、「大人の発達障害」の方は、これらが苦手というか困難です。

また、「うまくやっておいてくれ」などという抽象的な指示や依頼は理解できずに仕事が遅れたり、時には「うまくとはどういうことか?」と相手に食ってかかったりします。退屈な会議中は、周囲を気にせずにあくびをする・スマホをいじるといった行為を平気で行うこともあります。

こういう行動を見ると、「なんて不真面目な上司(同僚)なんだ」と思うかもしれません。しかし。これはふざけているわけではなく、そのような空気を読み取ることが困難なのです。

上司や同僚の言動が気になり出すといろいろ目につき、「大人の発達障害かも…」と感じるかもしれません。しかし、「発達障害」に見られる「落ち着きがなくせっかち」「忘れ物が多い」「時間を守れない、時間に遅れる」といった事例は、自分や周囲の人にも一つや二つ当てはまることがあるはずです。そのため、上記のようなことに当てはまる人の全てが「発達障害」というわけではありません。

「発達障害」はそれらの特徴が突出して強く、それを改善することが困難な方たちなのです。

同僚の同僚の女性が発達障害だったら

発達障害は男性の方が多いと言われていますが、女性でも悩んでいる人はいます。女性は、対人関係やコミュニケーション、集団の中での調和において、男性より特徴が目立ちにくいと言われています。そのため、まわりの人とのかかわりの中で大きな問題はないように見えますが、本人は苦手意識やストレスを抱えています。

学生の頃から違和感があったけれど、「まわりに合わせてきた」という人が少なくありません。

また、発達障害の特性から、物事を順序だてて効率よく行う、整理整頓が苦手といった場合。「家事は料理や洗濯などを同時進行で行うから、女性は複数の業務を並行してやるのが得意だと思った」「デスクまわりの片付けができないし、女性らしくない」といった言葉で傷ついていることもあります。

協調性が高い女性が多い中「自分はまわりになじめない」、また他の女性と同じように「器用にあれこれこなすことができない」といったことが積み重なり、仕事だけでなく、恋愛などプライベートでも自信を失います。心にかかる負担が大きくなり、うつ病など二次障害につながるケースが少なくありません。

発達障害を抱えた女性は自己肯定感が低い傾向にあります。これは、子どもの頃から失敗を重ね、注意されてきたことに関係があるかもしれません。自己肯定感が低ければ自分の意見もはっきり言えず、パワハラやモラハラのターゲットになってしまう可能性もあります。男性の場合にも言えることですが、女性の発達障害は見えにくい側面がありますので、まずは気づくこと、そしてサポートしていくことが大切です。

発達障害について理解し配慮することが大切

「発達障害」は極めて個性的で極端な性格の持ち主とも言えます。上司であれ同僚であれ「大人の発達障害」と関わっていくには、何よりも相手を理解することが大切です。何が苦手で何が得意なのか、どの表現であればわかるのかを理解し、臨機応変に対応していくことで良い関係を保つことができます。

例えば「仕事を頼むときもこちらで優先順位を決めて、締め切り時間も何時までにと具体的に伝える」「間に合わない時には報告をすることなど細かく指示を出す」「できれば口頭でなくメモに書いて渡す」などです。仕事をする上では「報告・連絡・相談(ホウレンソウ)」が欠かせませんが、他人とのコミュニケーションが苦手で、相手に伝わるようにうまく話せない人もいます。順を追ってホウレンソウができるように「要点などをメモに書いてもらい、それを見ながら話してもらう」「毎日11時と15時に、○○さんに報告してもらう」、報告を受ける人が席にいないときは「付せんに書いてデスクにはってもらう」などルール作りをすれば、業務も円滑に進められるはずです。

なお、発達障害を持つ人の中には感覚が光や音などに過敏な人もいます。明かりを調整したり、静かな場所にデスクを置いたり。周りからの刺激を減らすためにパーテーションで区切るなど環境を整え、仕事に集中している時には声を掛けないなど配慮しましょう。得意なことに没頭できる環境やポジションに配置することができれば、人並み以上のパフォーマンスを発揮するケースもあります。

自分の仕事を抱えながらこれを実践するのは大変な労力だと思います。ましてや職場に複数の「大人の発達障害」の方がいたとしても、その特徴はそれぞれに異なります。しかし、「発達障害」は全体の6.3%に見られるという報告があり、40人ほどの職場なら2~3人の「大人の発達障害」の方と共に働く状況は普通のことなのです。

1人でできることは限界がありますが、職場全体で理解し対応を考えて行くことで、その方の能力が発揮できれば双方にとって有益なことではないでしょうか。

西尾浩良

心理カウンセリングで心を癒やす心理カウンセラー

心理カウンセラー

西尾浩良さん(西尾心理療法指導室)

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