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子どもの基礎読解力を高める3つの方法

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国語力ではなく、基礎的な「読解力」が進学や就職にも影響

中学生3年生の15%は主語がわからないなど、基礎的読解力が著しく不足していることが国立情報学研究所の新井紀子教授や名古屋大学などのグループの調査で明らかになりました。

たとえば、以下のような文章問題です。

【問題】
オーストリア、次いでチェコスロバキア西部を併合したドイツは、それまで対立していたソ連と独ソ不可侵条約を結んだうえで、1939年9月、ポーランドに侵攻した。
⇒ポーランドに侵攻したのは、( )である。
(出典:国立情報学研究所 リーディングスキルテストの実例と結果/東京書籍 中学校社会教科書『新しい社会 歴史』 P206)

基礎的読解力はいわゆる国語力とは異なり、運転免許など日常に必要な資格取得に関しても大きなハンデとなる可能性があり、中学卒業までに中学校の教科書程度は読めるようにしておかなくては将来の就業にも影響することが予想されます。また、そこまでひどくなくとも約半数の中学生が文章を読み取る力が弱く、普段から文章を読んだり書いたりすることが少ない現状が浮き彫りになりました。

一方、読解力が高い生徒ほど偏差値の高い高校に進学していることもわかりました。つまり、読解力による進学格差や将来の所得格差へとつながるもので、子どもが小学校の頃から意識して読解力をつけるようにしておくことで、高校進学や大学進学も有利になるということです。

読解力を身につけるにはどうすればいい?

では、どのようにすれば子どもの読解力が高められるのか?家庭でできる3つの方法をご紹介します。

1. 子どもに解説してもらう

まず一番におすすめなのは週末などに15分間だけ数学、理科、社会いずれかの教科書を親子で1ページだけ音読し、そこに書かれてある専門語句の意味を子どもに問いかけ、子どもに解説してもらうという方法です。

最初子どもが慣れないうちは親が大いに助け舟を出しながら解説してもらいましょう。他者に説明することでさらに理解が進み、それがまた読解力アップにもつながります。その科目の理解も深まり一石二鳥の方法です。

2. 家庭学習の際には問題を音読して解くようにする

次に面倒臭がって問題文をちゃんと読まずに問題をやろうとする子がいます。これが常態化すると短文であっても意味が理解できない子になってしまいます。これを防ぐには、家庭学習の際に問題を音読して問題を解くことを習慣づけるといいでしょう。

お母さんが子どもの横に座って「まず、問題を読んでみて」と音読させた後「何をしなさいと書いてある?」と問題の意味を自力でわかるように誘導します。これを続けると、問題を読むことがそれほど苦にならなくなると同時に、問題が何を求めているかもしっかり把握できるようになります。

3. 新聞コラムの書き写し

最後に読解力をつける最も確実な方法として「新聞コラムの書き写し」があります。新聞のコラムを書き写し、わからない言葉があれば両親に尋ねます。親もわからないことがあれば辞書やインターネットで一緒に調べます。毎日やるのが理想ですが1週間に1、2回であっても着実に力はつきます。

なぜ子どもの読解力が落ちてしまっているのか?これは一言で言えば、普段の生活の中で書き言葉(文章)に接する機会が減っていることと難しい文章を読む機会が減っていることが原因です。その二つの原因の解消に「新聞コラムの書き写し」は最適なのです。

親はどうしても目の前のテストの点数に目を奪われがちですが、子どもの読解力養成こそが学力向上の鍵を握っていると認識を改め、その対策を意識的に進めていくことが重要になってきています。そのためにも、親子の対話を大切にしながら見守っていくことが大切になるでしょう。

長谷川満

子どもの自信とやる気を引き出す教育のプロ

家庭教師

長谷川満さん(家庭教師システム学院)

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