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年金受給開始70歳時代に備える 現役時代からの「蓄え力」

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確定拠出年金
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70歳まで年金がもらえない時代!?

公的年金の受給開始年齢を70歳より後にできる仕組みづくりの提言がされました。

超高齢化社会先進国の日本。国民年金や厚生年金に年金を支払っている勤労世代の人口は減り、公的年金を受け取る世代が増えていくため、支払う側の負担増だけでなく、受け取る側の負担も考えなければならない時代が来ています。収入があるうちに早めに必要な金額を計算して、財産を作っていくことが必要です。

現在、定年は「高年齢者の雇用の安定等に関する法律」で65歳と定められています(完全義務化は2025年4月)。公的年金も受給開始年齢が60歳から65歳へ段階的に引き上げられました。定年がこのまま65歳だとして、70歳まで年金がもらえない、そんな時代が来ても困らないように早めの準備が必要です。

知っておきたい「老後に必要なお金」はどれくらい?

まずは、老後に必要なお金はどれくらいなのかを計算してみましょう。

高齢で無職ご夫婦世帯の月々の生活資金は平均月27万円(総務省「家計調査年報」平成28年度家計の概況) 。少し余裕のある暮らしをする方は約35万円(生命保険文化センター・平成28年度「生活保障に関する調査」) となっています。

この数字を参考に、65歳で退職するとして、100歳までの年数で必要な資金を出します。(例)65歳で退職予定。100歳まで生きると仮定して生活資金月27万円で計算すると27万円×12ヶ月×35年間(100歳-65歳)で1億1340万円の資金が出費として予定されるということになります。住む家が賃貸派の方は、この他に賃貸費用を考えておく必要があります。

老後に「入ってくるお金」はどれくらい?

次に入ってくるお金にも目を向けましょう。

まずは年金です。年金の確認は毎年誕生月に送られてくる「ねんきん定期便」でできます。手元にねんきん定期便がすぐに見当たらないという方、もう少し詳細にもらえる金額を考えてみたい方はねんきんネットを使うと良いでしょう。どちらも、年金の受取予定年額が載っていますので、こちらを30年間(70歳から100歳まで)分で出してみます。

ねんきん定期便では50歳未満の方は今までに支払った金額をもとに、50歳以上の方は今後の収入予測も入れてより受取金額に近い数値が載っています。特に50歳未満の方はねんきんネットのシミュレーションの方がより具体的です。

他に、民間保険会社の個人年金保険の受取予定金額や投資用不動産の収入なども収入予定として計算します。

老後資金が足りない!?働いて蓄えることが大切

ここまでで十分な老後資金が確保できた方は少ないでしょう。

自分の貯金や確定拠出年金で、現役世代のうちに蓄えておくことが一番重要です。例えば毎月老後資金として3万円分けて蓄えておけば、30歳から60歳までの30年間で1080万円。5万円分けると、40歳から60歳までの20年間で1200万円貯めることができます。

さらに、定年後も働いて補ってどれくらいの財産が蓄えられるかを考えてみます。健康寿命という「健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間」は男性で71.19歳、女性で74.21歳です。(厚生労働科学研究費補助金「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」)

悠々自適も憧れますが、70歳までは体が動くと考え、働くペースを落としても収入を確保する可能性も考えましょう。65歳から70歳まで、公的年金支給額程度を稼いだとしたら、老後の必要資金もだいぶ確保出来るようになるでしょう。

老後資金を貯めておくことも、70歳まで働くキャリアプランも、早めに考えて動いておく。これが老後安心の近道です。

お金の安心・安全を守るファイナンシャルスタイリスト

杉山夏子さん(マネー・スタイリスト株式会社)

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