政務活動費はなぜ無くならないのか
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政務活動費とは?
元SPEEDの今井絵理子議員と浮名を流した「ハシケン」こと、神戸市議会議員の橋本健氏が議員辞職することになりました。理由は、政務活動費の不正使用疑惑を週刊誌にすっぱ抜かれたためです。
「政務活動費」とは、地方議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として交付されるお金です。要するに、地方議員がその政治活動をするうえで必要な経費を税金から払ってくれるシステムのことをいいます。例えば、サラリーマンが取引先との接待に要した飲食代を会社から払ってもらったりするケースがあると思いますが、それの地方議員版ということです。
号泣議員として一世を風靡した野々村竜太郎元兵庫県議が起こした問題も、この政務活動費の不正利用でした。あれだけ大問題となり、野々村元県議にいたっては起訴され、詐欺等の罪で有罪判決を受けるまでになっているにも関わらず、この政務活動費の不正利用の問題はなぜ無くならないのか。個人的には不思議で仕方ありません。そこで、親しくしている地方議員さんに色々とお話を聞かせてもらい、政務活動費の不正利用について勉強させていただきました。
政務活動費は先に支払われている
まず、あまり知られていないことかもしれませんが、多くの自治体で政務活動費は使う使わない関係なしに、先に支払われているということが挙げられます。例えば、橋本市議の所属する神戸市でも、毎月38万円交付、年度ごとに残余金があった場合は返還、というルールになっています(神戸市ホームページ参照)。
これを知って思ったのが、「誰が一回手元に入ったお金を返すねん!」ということです。いや、返さなければいけないというのはもちろんですし、多くの地方議員の方が正当に利用して余ったお金を返しているというのが現実だとは思います。でも、地方議員さんも人間ですもん。返さずに済むなら返したくはないと思うのが普通の感覚ではないでしょうか。ここは兵庫県議会が野々村事件を経て採用している「後払い方式」を全国的にも採用すべきではないかと思います。
また、兵庫県議会では、議員の収支報告書や領収書をHPで公開するようにもしています。このような運用を始めてから、年度末の政務活動費の返還率は3年連続で上昇しているそうです。
兵庫県議会は、3年前、全国に恥をさらしました。その結果、政務活動費に関するルールが厳格となり、今では不正の余地がないほどになっています。返還率の上昇にもみられる通り、制度の運用実態も正常になってきているのではないかと思われます。その他の自治体も、良いところは真似していけば良いのではないでしょうか。
もちろん、議員さん一人一人が誘惑に負けずにルール通り利用してくれさえすれば、このような話にはならないのですが、残念なことに、報道を見る限り、難しいのが現状と言わざるを得ません。
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