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良質な睡眠を妨げるお酒の飲み過ぎ お酒と睡眠の適切な関係は?

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良い睡眠とは?

良い睡眠を得るためのポイントとしては、就寝時間に合わせて、「日中の活動で上がった体温が、就寝時に低下するという体温の落差をつけること」「睡眠促進ホルモンであるメラトニンを十分に出すこと」「脳の興奮を避け、リラックスして眠りにつく」の3つがあります。

睡眠・覚醒のリズムについても目を向けてみましょう。実は睡眠・覚醒のリズムは、年齢により大きく変化します。1日のうち、乳幼児期は、多相性のリズムをとり、短い時間の睡眠を何度も繰り返します。そのうち成長にするにつれ、10歳を過ぎると単相性リズムをとり、長い時間の睡眠を1度にとるようになります。そして、年齢がさらに進むと、睡眠促進ホルモンであるメラトニン分泌低下にともない、多相性のリズムに戻っていきます。高齢者で、長く寝ることが出来ないのはある意味、自然なことなのです。

健康な人の終夜の睡眠パターンは、ノンレム睡眠(深い睡眠)とレム睡眠(浅い睡眠)を90分周期で4-5回繰り返します。特にノンレム睡眠時は体の筋活動レベルも低下し、体は休まっていると言えます。

良い睡眠が得られないと起こる症状とは?

なんらかの原因で良い睡眠が得られなくなると、身体的不調が現れます。脳や体が十分に休むことができていない状況ですから、つまり疲労感が蓄積されていきます。症状は多彩であり、精神面では、感情不安定、集中力欠如、うつ病などがあり、身体面では、冷え症、息切れ、心臓系の症状、食欲不振、ドライアイ、不妊症・生理痛、めまい、耳鳴りなどがあります。

適度な飲酒で良い睡眠を得ることが可能に

適量のアルコールにはリラックス効果や血行を促す効果があります。同時に、前述した「日中の活動で上がった体温が、就寝時に低下するという体温の落差をつけること」が可能となります。就寝3時間前であれば、良い睡眠を得るきっかけになる可能性があります。

ところで、飲酒の適量はどれくらいでしょう。一般的には、男性はエタノール量で30g/day程度、女性はエタノール量で20g/day程度です。具体的には500mlのアルコール濃度が5%のビールであれば、エタノール換算だと500mlx0.05(5%濃度)x0.8(エタノール比重係数)=20gとなります。つまり、女性だと缶ビール500mlが適量、男性でも500mlを1.5本となります。お酒の種類、アルコール濃度によって飲める量は変わります。

しかし、適量はそうであっても、その量で、皆さん満足できるでしょうか?ということが問題になります。また、最初はその量で安眠できているつもりだったものが、次第にそれでは満足できずアルコールの量が多くなっていくということも当然起こります。

過度の飲酒は睡眠中の体に負荷をかけることに

アルコールの量が多くなると、寝床についてもアルコールを分解するために、体は働かなければなりませんので休まりません。

また、夜間は抗利尿ホルモンというおしっこを作りすぎないようにするホルモンの分泌が促進しますが、アルコールによりその働きは阻害され、アルコールを分解するために尿が多く作られます。飲みすぎたときにのどが渇きトイレに夜間起きることは、そういうことなのです。これでは、脳の興奮を避けることができません。

アルコールはさらに、睡眠促進ホルモンのメラトニン分泌を妨げます。ノンレム睡眠(深い睡眠)の時間よりもレム睡眠(浅い眠り)の時間が増えますので、寝つきがよくなるようでいて、中途覚醒が多くなります。ノンレム睡眠の時間が十分に確保できなければ、休息が得られていないことになるのです。

お酒で良い睡眠が得られていると思われている皆様へ

日常生活において、精神面・身体面で充実されている方であれば、上手にお酒とお付き合いされているのでしょう。でも、もし不眠以外にも前述した体調不調をきたしているのであれば、一度、立ち止まって生活スタイルを考えてみてはいかがでしょうか?「酒は百薬の長」といいますが、正確には「適量の酒は百薬の長」なのです。

医療を越えた総合的ケアを目指す消化器内科のプロ

及川寛太さん(医療法人 天音会 おいかわ内科クリニック)

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東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

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