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大学入試改革国語・数学で記述式 大学受験はどう変わる?

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大学入試改革案 国語と数学で一部記述式を採用へ

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2020年からの大学入試改革案を文部科学省が発表しました。
ご存じの方も多いと思いますが、現在の中学3年生が大学受験を迎える時から、入試制度が変わります。
現行の大学入試センター試験は、あと3年で廃止されることは決定しています。
代わって「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」が実施されることも決定しています。
国語・数学のテストでは、一部の問題で記述式の解答を採用することが決まっています。これで大学受験は変わるのでしょうか?
今回は、国語と数学について考察します。
*以降「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」は、新テストと省略します。

数学・国語の記述問題は、現行のセンター試験と代わり映えがしない

5月16日付けで、文部科学省から「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」のモデル問題が公表されています。
現在は大学入試センターのwebページから、閲覧することができます。

国語に関しては、評論文と物語文の読解で構成されている現在のセンター試験の国語(現代文)とは、問題の出題傾向が変わっていることがわかります。
新テストでは、月極駐車場の賃貸契約書を読み込んで、問題点に気づかせるなど、情報分析能力と、思考力が問われる問題作りになっているところに「新鮮さ」を感じます。

しかし、記述式の解答を採用する影響は、ほとんど無いと考えます。
「小論文試験」のような、自分の考えを文章化する記述力ではなく、本文中の正解箇所を正確に抜き出して、指定の字数で記述する能力が必要とされます。
従来の5択の選択方式でも、同様の難易度での作問はできるのではないでしょうか。
また、試作問題に添付されているように、採点基準は明確であるため、一部で問題視されている、採点者によって採点基準がバラつく懸念はないでしょう。

また、数学の試作問題には、特に目新しさはありません。
高校の定期テストで十分得点がとれるなら、正解できる基礎的な内容に易化した印象を受けます。
注目すべき、記述式の問題も、問題文の誘導に従って、立式と解答を解答欄に書くだけです。
図形の証明問題や深い思考力を問う問題は、試作問題には含まれていませんでした。

改変に大きな問題点はない。むしろ「変える必要性」を問題視すべき

過去にも、学習指導要領の改訂に伴って、センター試験の出題傾向が大きく変わることはありました。
その度に、事前に大学入試センターから試作問題が公表されてきました。
改訂後の初年度は、試作問題とほぼ同様の出題傾向と難易度のテストが実施されてきました。
つまり、今回の新テストも、この試作問題に準じたほぼ同様のテストが実施されると考えます。

この試作問題に現れている、国語と数学の新傾向は、同様の問題を多くやりこむことで、「傾向と対策」をつかむことが難しくはありません。
改変による「新鮮さ」は、3年もすれば無くなるでしょう。
結局、改変後の新テストも「受験対策」の通用する大学入試のための試験になるだろうと考えられます。
現行のセンター試験が持っている、マーク式テストの問題点が解消できる変更になっていないことに疑問が残ります。
今回の改変では、試作問題のようにテスト形式を改める「必要性」を再考すべきではないではないでしょうか。

加藤哲也

熱血コンサルで受験生とともに合格を勝ちとる大学受験のプロ

塾講師

加藤哲也さん(大学受験の桔梗会)

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