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子どもの「いじめサイン」にすぐ気が付く親になるには

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こどもはSOS をだせない

子どもの「いじめサイン」にすぐ気が付く親になるには_こどもはSOS をだせない

「うちの子がいじめなんて、まさか。」「ちゃんと毎日学校にも行っているし、うちの子は大丈夫。」などと思っていませんか?中には、自分の子どもがいじめにあっていると言う現実を受け止めきれない親もいます。

しかし、今どきの「いじめ」というものには我々大人が考えもしないようなたくさんの種類があり、子どもが何も言ってこないから大丈夫と思っていては、取り返しのつかないことになってしまいます。

子どもは、自分がいじめられていたとしてもなかなか親に言い出せないものです。実際、親には言えず、私が把握したいじめも多数あります。そんな子どもたちが異口同音言うのは、「親に心配かけたくないから言えなかった」。

また一方では、「親に言っても聴いてくれない」「自分で嫌だと言いなさいと言われた」「先生に言いなさいと言われた」「親が忙しそうにしていて話す時間が無い」などの声も上がっています。

もしも、自分の子どもがいじめにあっていたら……親としては、可能な限り早い段階で気づいて救い出してあげたいものです。

何かしらのサインはある

しかし、必ずと言っていいほど、子どもは何かしらのサインを出しています。

例えばこんなことはないですか?

親が家事なり何かの仕事をしているとき、子どもが「ねえお母さん!」と何気ない一言をかけてくる。ちょうどその時、親は手が離せず、「何?今忙しいから後にして」。日常どこにでもありそうなやり取りです。

子どもは、面と向かって話があるなどなかなか言えないのです。親が何かをしているときにこそ、さりげなく声を掛けやすいのかも知れません。でも心の中ではドキドキです。しかし、そこで「後にして」と言われ、時間が経ってから「さっきの話なあに?」と言われても、もう子どもが話したいと思った勢いが無くなっているのです。

子どもが親に自分自身のことを話すのには勇気や勢いが必要です。子どもが話したい時と、親が聴きたい時のタイムラグがどうしても生まれてしまいます。お父さん、お母さんには、このタイムラグがあることを理解しておいてほしいと思います。だから、子どもが何か話があると言った時は、必ず手を止めて聴いてあげて欲しいと思います。

どうしても無理という時には、「後で」という言い方では無く、「何分後」というように具体的に数字化してあげることがとても大事です。数字化すると子どもの方も納得しやすくなります。大人は「後で」とか、「いつか」というざっくりした言い方をついついしてしまいますが、安心させるためにも数字できっちり示してあげることが大切なのです。

親が心に余裕を持って、しっかり子どもの様子を見てあげる、そして何か変化を見つけたら声をかけてあげる、これが重要です。必ずしも、四六時中一緒に過ごして長時間子どものそばにいなければ、いじめのサインには気が付けないというわけではありません。

子どものいじめを知ったらどう対処する?

親の役割は、どこからがいじめかを判断することよりも、とにかく子どもを守ってあげることだというのを忘れないでください。「学校の先生に言っても大丈夫?」とか「問題が大きくならないか心配」など不安に思うこともあるかもしれませんが、先生に伝えることが問題になるわけではありません。

ただ、問題がこじれることが無いよう、少しだけ伝え方には注意が必要です。頭ごなしに子どもの言葉だけを先生にぶつけるのでなく、親と学校とで、まずは事実関係を確認することが大事です。

また、ほとんどの子どもは、「先生に言わないで」と言います。特に、親の性格を誰よりも子どもは知っているので「話せば大事になる」と思うような親だとなおさら打ち明けにくくなります。ですから、子どもから話を聴くときも、親は冷静に事実だけを聴いていくようにしてください。もしかしたら、自分の子どもがいじめをしていると思われているケースもあります。

また、担任、学年主任、教頭、校長と段階を踏んで、相談するのもいいかと思います。私が親御さんに提案するのは、学校側と協議している事実はまず子どもには伏せておいて、親と学校で協力しながら子どもの様子を見守っていく、というやり方です。

生徒が30人以上いる学級などでは、先生の目が行き届きにくいものなので、登下校の通学班で起きているいじめもあります。様子を伝えておくことだけでも、子どもに対しての先生の目が届くようになります。よく言う「手がかからない普通の子」は、先生から見てもどうしてもスルーされてしまうのです。

子どもに対しての接し方

子どもの「いじめサイン」にすぐ気が付く親になるには_子どもに対しての接し方

子どもに対しては、まずはしっかり話を聴いてあげることが大事ですね。「お母さんがしてあげられることってなあに?」など声をかけることで、「常にあなたを見ているから」というサインを送り続けてください。それだけでも、子どもは安心できるものなのです。

いじめの問題は、とてもナーバスです。大事にしたくない、という気持ちが先行して対応が遅れてしまったり、逆にアプローチを間違えて、あらぬ方向に事態が進み解決どころか悪化してしまう、というケースも多々あります。

専門家は、親御さんと一緒に子どもを見守り、これからどうしていくか、学校に対してどう言っていくかなど適切なアドバイスをします。場合によっては、親御さんの代わりに学校側と話をしたこともあります。

親が訊いても、学校の話をしたがらない、友達の話をしたがらない、話題を変えようとする、など子どもの様子がいつもと違うと感じたら、「何日か様子を見てみよう」ではなく、専門家に相談して欲しいと思います。

行動を起こすのは、勇気が必要かもしれません。しかし、様子を見ている中で、時間だけが経ち、状態が悪化したり、さらに学校に行きにくくなったりと、問題が大きくなりがちです。

実際、私のところに相談に来られた保護者の方からは、「もっと早く相談すればよかった」という声も聴きます。一度相談してみて、結果的に取り越し苦労であったなら、それでいいのです。専門家に相談に行くことは、問題を大きくすることではありません。親子で安心しに行くのです。まずは保護者が行動を起こす、それが子どものために一番にできることです。

とにかく、子どものいじめ問題への対応は、子どもに対しても学校に対しても、言い方・接し方がとても重要です。最初の一歩がこじれないよう、橋渡し役として専門家を活用する手があるということを、親御さんには知っていただきたいと思っています。

いじめ・家庭問題に苦しむ子どもとママのカウンセラー

大崎清美さん(心サポートセンターKotodama)

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