子どもの貧困と学習格差 どうすれば解消できる?
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子ども6人のうち1人が貧困状態
今や子ども6人のうち1人が貧困と言われており、ひとり親世帯に限ると実に半数以上が貧困状態にあります。ここで言われる貧困とは次のような項目に当てはまる状態を指します。
1. 貯蓄が全くできない
2. 娯楽やレクリエーションに回すお金がない
3. 塾や習い事に支出するお金がない
4. 公立高校にしか進学させられない
5. 大学は全額奨学金でないと行かせられない
具体的な世帯収入で言いますと、
親子2人の世帯収入が172万円以下(月14.3万円以下)。
親子3人の世帯収入が211万円以下(月17.6万円以下)。
親子4人世帯収入が244万円以下(月20.3万円以下)。
確かに今の日本の生活水準からするとこの収入では食べていくのが精一杯で、交際費も満足に出せない状態が伺えます。
貧困率は年々上昇傾向に
この相対的貧困率は年々上昇しており、経済格差が着実に広がっていることが統計上も明らかです。これは小泉内閣の時代に改革と称してなされた規制緩和、非正規雇用の拡大に始まり、それ以降も続けられてきた大企業や資産家にとって有利な政策が国民の間の経済格差を広げてきた結果と言えます。
もともと資本主義は「資本家主義」であり強者はより強く、より有利になるように、そしてその結果格差が広がるような仕組み・構造になっていて、だからこそ、その資本主義の欠点を補うように民主主義政府が発展してきた歴史があるのです。
この民主主義政府の重要な機能の一つが「富の再分配」です。つまりお金を持っている大企業や資産家からはたくさん税金をとって、それを経済的弱者の経済支援や社会保障費に回し、その格差を幾分かでも是正するとともに、社会の流動化(低所得者であっても努力次第で高所得者になること)も可能にしてきました。そして、そのことにより社会はより健全で活気あるものになるのです。
貧困の連鎖を防ぐために社会全体で支えることが必要
子どもの貧困で一番問題なのは、貧困の連鎖であり固定化です。貧困状態にある子どもに特徴的なのは「自己肯定感の低さ」と「学習意欲のなさ」です。貧しい家庭で育った子どもは自分に自信がなく、将来に対しても希望を持てず、その結果親と同じように貧困状態に陥ってしまう可能性が高いのです。
今「子ども食堂」やフードバンクによる食糧支援、ボランティアによる無料塾などNPOが主体の貧困家庭に対する支援の輪が広がりつつあります。これらの支援のいいところは「あたたかい人間同士のふれ合い」があるというところです。支援活動に携わっている人たちの多くは親や子どもたちを精神的にも支えたいと考えておられ、そういう人たちとのあたたかい心の交流こそが子どもの自信や意欲につながり、貧困から抜け出す原動力となるものです。
これら善意のNPOの支援活動が地域に根ざした力強いものとなるためにも行政の本腰を入れた支援及び対策が求められています。
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