外為法改正で新たな脅威に立ち向かう
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アジアを取り巻く環境の変化と新たな脅威
近年、目覚しい発展を遂げた中国や軍備を増強している北朝鮮など、リーダーの交代を期に大きく変化した国々があります。
その変化はアジア全体に広まり、私たちの生活にも影響を及ぼしています。
このような変化は、政治・経済・軍事など様々な分野で環境を変えて行き、懐柔と脅威の両方をもたらします。
そして懐柔と脅威には、それぞれ準備が必要であり、この度の外為法改正は脅威への準備と捉えられます。
現在、アジアの各国が抱える経済や外交問題、領土問題や軍事行動などは一触即発の差し迫った問題では無いにせよ、然るべき準備が必要であることは明白です。
将来に想定できる脅威を本物の脅威にしない為の準備を急がねばなりません。
また、友好国と歩調を合わせることも大切であり、独自路線を歩むことは、新たな脅威を創り出す要因となることも忘れてはなりません。
全ての国家・非国家主体を対象とした協定
「軍事転用可能な技術」と「外為法」この二つのキーワードで思い出されるのが、1987年に発生した東芝機械による「ココム違反事件」です。
東芝機械は、規制が強化されていた共産圏へ最新の工作機械を輸出したことで「対共産圏輸出統制委員会(ココム)」の協定に違反したとして糾弾されたと共に、外為法違反で逮捕者を出してしまいました。
当時は東西冷戦の時代で、軍備の均等が世界平和に繋がると思い込まれている時代でした。
その為、脅威を明確に示すことができ、その対策も容易であったことは事実です。
しかし、現在の日本を取り巻く環境は、アジアだけに留まらずISを代表としたテロリストの脅威も忘れてはならない状況にあります。
東西冷戦の終結と共に「対共産圏輸出統制委員会(ココム)」は解消され、新たな輸出管理体制として全ての国家・テロリストなど非国家主体を対象とした「ワッセナー・アレンジメント(WA)」が発足し、世界の41ヶ国が参加しています。
その内容は、通常兵器及び関連汎用品及びその技術とし、細かなリストを作成して輸出を監視することで、武器の拡散を防ごうというものです。
日本では、外国為替及び外国貿易法、輸出貿易管理令、外国為替管理令等に基づき輸出管理をしており、国内法を強化することは武器の拡散を防ぐと同時に国際貢献にも繋がっています。
脅威との戦いは恐れるものではない
脅威は、環境が変化する度に新しく生まれます。
国によって風習や習慣、物事の解釈が違う世界の中で、リーダーの交代は環境の変化を意味し、新たな脅威の誕生を示唆するものです。
また、私たちに懐柔をもたらす技術の進歩や発展も環境の変化であり、懐柔と同時に新たな脅威が生まれています。
つまり、私たちが変化と懐柔を求める限り、新たな脅威は生まれ続け、常に戦い続けなければなりません。
しかし、脅威とは恐れるものではなく、安全・安心を手にする為の「道しるべ」と考えるべきです。
人間は、脅威があるからこそ考え、知恵を絞り、解決して進歩してきた生き物です。もし、私たちが変化と懐柔を望まず、脅威が無くなったら、それこそ人間の進歩を妨げる「真の脅威」と言えます。
先日、アメリカ合衆国のリーダーが交代しました。
就任前より物議を醸している新リーダーですが、必ず環境は変化します。
そして、新たな脅威が待ち受けています。
脅威との戦いは勝ち負けではありません。
「解決(WinWin)」するものであって、解決した後には「経験」や「信用」という財産が残り、きっと懐柔が得られます。
脅威との戦いを恐れず、通らなければならない道の途中と考え、見過ごさずに立ち向かう勇気が必要です。
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