有効求人倍率は高いのに転職が難しいわけは?
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有効求人倍率は上昇傾向
厚生労働省が発表した4月の全国の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比で0.04ポイント上昇して1.34倍となっており、1991年11月の1.34倍と並んで、24年5ヶ月ぶりの高水準となっています。
また、就業地別の有効求人倍率では、調査開始(2005年2月)以降初めて全都道府県で1倍を超えています。
有効求人倍率は依然として高い水準にあり、転職に有利な状況に見える一方、他方では転職活動がなかなか上手く進まないケースも増えているようです。なぜでしょうか。
企業側は求人難であっても厳選採用を優先
有効求人倍率が高い状況で、企業が採用に意欲的ではあるものの、人手が足りなければ誰でもいいわけではありません。
リーマンショック以降、多くの企業は厳選して慎重に採用活動をしています。
実際の就職支援の中でも「やりたい仕事をしたい」「もっと良い条件の会社があるのではないか」と勢いで転職活動を始めてしまう人も多いのですが、採用につながらないのは、いくつか原因が考えられます。
応募者側の理由が自分目線の場合 転職は成立しにくくなる
どんなに応募者が転職を熱望したとしても、相手先の企業に「あなたと一緒に働きたい」と思ってもらえないと転職は成立しません。
志望動機や転職理由が自分目線での発言にとどまってしまうと、企業側には自分本位に感じられたり、入社後にどのように働けそうか良いイメージを描けなかったりします。
企業側の立場にも立って考えてみることで、どんな人と一緒に働きたいのか、求める人材像をイメージできる想像力が大切です。
家族の賛同というハードル
残念ながら、必ずしも転職=条件アップとは限りません。
本人はやりたい仕事の切符を手にしたつもりでも、家族の賛同が得られないために辞退せざるを得ないケースを何度も見てきました。
家族にしてみると、これから先も一定の水準で生活していくことができるかどうかは大きな問題です。
家族に安心感を持ってもらえるよう、家族に相談しながら転職活動を進めていくことが大切です。
また、家族が味方になってくれることは、とても心強いことなのです。
何のために転職するのかを最初に考えることが大切
なかなか結果を出せない状況が続くと、人は妥協を考えたりするものです。もっとも避けなければならないことは、転職後に「こんなはずではなかった」と後悔することです。
それでは、自分を見失うことなく、妥協や後悔のない転職活動をするためには、何が必要なのでしょうか。
転職活動をするならば、まずはその目的が明確であることが大切です。
一般的に転職活動に必要な期間は3ヶ月くらいといわれていますが、状況により長期化することも考えられます。
転職活動の期間中、モチベーションを維持しながら活動していくことは、目的が明確でないと容易ではありません。
ときどき、今の職場の人間関係から離れるための手段が目的になってしまっている方がいらっしゃいます。
手段が目的になってしまっていると、なかなか転職活動も上手くいきません。次の職場でも起こりうることだからです。
例えば「今より高い報酬が得られる」「自分の能力を活かせる」「人のために役立つことを実感できる」「成果を認めてもらえる」「自分のペースで仕事ができる」「ライフスタイルを大切にできる」など、転職活動を通じて手に入れたいことは何でしょうか。
満足度の高い転職のためには、①やりたいこと(興味)②できること(能力)③大切にしたいこと(価値観)④これまでの経験――のバランスが取れていることが必要です。
転職活動では、とかく求人票の条件面に目が行きがちです。
転職活動をして希望の仕事に就くことができたとしたら、自分や家族にどんな良いことやメリットがりますか?
転職という手段を通じて何を実現したいのか目的を忘れずに、キャリアアップにつながる転職活動を目指しましょう。
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