30代40代の娘から母への絶交宣言が急増中
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増える30代40代の娘から母への絶交宣言
「もうこれ以上私に関わらないで」
「次に会うときはお葬式ね」
最近、こんな言葉で30代40代の娘さんから絶交されるお母さんが急増しています。「元気?」と電話をしても「何の用?」と素っ気ない返事だけでその後のやり取りが続かない。娘から避けられていると感じておられる親御さんは意外にも多いようです。
幼少期の間違った接し方が冷え切った母娘関係につながる
では、どうしてそんなに冷えきった母娘関係になってしまうのでしょうか。一番の原因は幼少期からの接し方にあるようです。
「人と較べられ否定するような言葉ばかり言われた」
「自分の考えを強引に押しつけてくる」
そんな態度を取り続けた結果、子どもは大人になったあと我慢の限界を迎えて「もう関わりたくない。」と母親を避けるようになります。
ところが当の母親は自分の今までの子どもへの態度、関わりがそんなに子どもを傷つけているとの自覚がまったくと言っていいほどありません。だからどうして子どもが避けるような態度を取るのかが理解出来ないのです。
「思い当たるのは子育てのことで1、2度注意したことくらい」
そんなふうに言うお母さんは今までの自分の言動で娘がどれだけ悲しい思いしてきたか、我慢してきたかということにはまったく思いが至っていないのです。今回の「子育てのことで1、2度注意した」が堪忍袋の尾が切れる10001回目のダメ出しとは気がつかないのです。
仮に、それまでに娘が傷ついた気持ちを母に打ち明けたとしても、それを自分への攻撃と取ってしまい、娘の気持ちを理解することは難しかったことでしょう。
娘の気持ちを分かってあげることが重要
娘がわかってほしいのは、「そのときどれだけ寂しかったか」という自分の気持ちなのです。「ああ、さびかしかったね・・、ゴメンね。でも、あのときも、今もあなたを愛しているよ。」という心からの声が聞きたいのです。
子どもは小さいときも大人になってからもお母さんには、
「気持ちをわかってほしい」
「ほめてほしい」
「認めてほしい」
「愛してほしい」
そう望んでいます。
それをいつも叶えることはできなくても、子どもの気持ちに寄り添ったり、思いやったり、そういう心を持って子どもに接していくことが、あたたかくて信頼し合える「幸せな親子関係」を築いていく土台になります。
私が教育講演会で紹介している詩
私は最近教育講演会でこんな詩を紹介しています。
詩「おかあさんへ」
おかあさん
わたし
さびしかったの
おかあさん
わたし
あまえたかったの
おかあさん
わたし
ほめてほしかったの
おかあさんのことが
だいすきだったから
(作 はせがわみつる)
この詩を参加者のお一人に口に出して朗読していただくと、思いがけず涙される方が多くいられます。それはきっと封印していたはずの子どもの頃の本心にこれらの言葉が触れるからだと思います。
幸せな親子関係を築けるかは、親の子供への接し方次第
「子どもを大切にするということはどういうことか。子どもを大切にするとは子どもの気持ちを大切にするということです。そのためにはまず子どもの話を聞かなければなりません。そのとき話の途中でダメ出しをせずに最後まで聞くということが大事です。
親は、自分では子どもを大切にしているつもりでも、本当は『自分の子どもへの願い』を大切にしてしまっていることが往々にしてあります。それは子どもより親である自分の思いを優先してしまっているということです。私たち親が一番気をつけなければならないのはそこなのです。」
幸せにも色々な幸せがありますが、「幸せな親子関係」を持っていることはその中でもとりわけ大きい幸せであるように思います。
そしてそういう幸せな関係を築けるかどうかは親がどういう心がけを持って子どもに接しているかにかかっているのです。
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