「さかなクン」を育てた好奇心に応じて伸ばす育児法
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我が子の自由を保障する育児方法
先日、全国ネットのテレビ放送にて、魚類学者でタレントとしても活躍するさかなクンの母親の育児方法が、世間に大きな反響を与えました。それは、学校の成績を上げることよりも、我が子の好きなことへの自由を保障することを尊重した育児方法です。昔はどの家庭でも学校での学習が全てだと思い込み、家庭でも学習机に向ったら教科書や参考書などを開いて勉強していましたし、それが日本に根付いている学習スタイルでした。
ところが、さかなクンの母親は教科書よりも幼少期のさかなクン自身から湧き出る好奇心に応えていくという育児を実践していたそうです。その成果が実ったことは現在の活躍ぶりからもうかがい知ることができ、幼いさかなクンが抱いていた東京海洋大学の准教授という夢にも、31歳という若さで就任しています。
古来より日本に伝わる諺が育児のヒントになる
まだ幼稚園へ就園する前の子どもについて考えてみましょう。絵を描くことが好きな子どもは、早くからクレヨンと紙があればずっと遊んでいます。体を動かすことが好きな子どもは、公園へ行けばずっと機嫌よく遊んでいます。音楽が好きな子どもは音楽が聞こえるだけでぴたりと泣き止み、笑顔を浮かべたり体を動かしたりします。
このように人は生まれながらにして好みのものがさまざまで、それをやり続ければ続けるほど上達していくのです。絵が好きな子どもは毎日のように絵を描いているかもしれませんが、そうでない子どもは同じ年齢であってもクレヨンを手にしたことがないかもしれません。そうなると毎日描いている子どもの方が、絵が上手なのは当然のことです。
「好きこそものの上手なれ」と私たちの祖先は表現していますが、まさにさかなクンに言えることでしょう。そして自分の知識や実力がどんどんレベルアップすることで、自分に対して自分で信頼置く、つまり自信を持って生きることができるようになるのです。
誰が学び手なのかを考えた育児がさかなクンの母の育児
そうはいっても、親としてはどうしても学校の成績が気になってしまいます。それは、我が子の成長に真剣に向き合い続けているからこその悩みだと思います。さかなクンの場合、学校の勉強に直接関係のない学びを熱心にしていて、いつでも自学していました。そして、自学できるような環境を母親が整えていました。さかなクンは学びの環境があったから学んだのではなく、学びたいから学んだのです
実は、大好きなことを学んでいると学習は苦痛ではなくなります。大好きなことのために必要な学びであれば誰でも自発的に学んでいくものなのです。さかなクンの場合、魚図鑑を見ていた時に読めない熟語に当たってしまったら、それを機に熟語を覚えたかもしれません。そのような積み重ねが、学力につながっていった可能性もあります。
子どもの学びを支えるためには、まずは子どもが安心して学ぶことができる環境を整えてみましょう。そうすることで学習に対しての抵抗がなくなっていきます。それどころか、楽しくて自発的かつ積極的に勉強する姿勢も身に付く可能性があります。安心できる学習環境を整えるには、まずは子どもの好奇心を認めて肯定的に捉える親の姿勢が大切だということを、さかなクンの母親は私たちに教えてくれたのかもしれません。
知的・発達障害のある子と親のための個別療育の専門家
鈴木あづみさん(個別療育塾ありあんち)
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