JIJICO(ジジコ)

  1. マイベストプロ TOP
  2. JIJICO
  3. 美容・健康
  4. 日本で初めてカフェイン中毒死!身近な飲料に潜む過剰摂取の恐怖

日本で初めてカフェイン中毒死!身近な飲料に潜む過剰摂取の恐怖

カテゴリ:
美容・健康

日本で初めてカフェインによる中毒死が発生

日本で初めてカフェイン中毒死!身近な飲料に潜む過剰摂取の恐怖

ついに日本でもカフェインによる中毒死の事例が出てしまいました。以前から過剰摂取の危険性が叫ばれていたカフェインですが、今回の事件を受けて対策も講じられるでしょう。

今回、話題にのぼっているエナジードリンクですが、実は市販されている滋養強壮剤の栄養ドリンクに含まれるカフェインよりも多くのカフェインを含んでいる商品があります。ちなみに医薬品や医薬部外品のドリンクに含まれているカフェインは、ほとんどの物が50ミリグラムです(無水カフェインとして)。

代表的な商品を例に挙げると、250ミリリットルで80ミリグラム配合のものや、350ミリリットルで142ミリグラムのカフェインを含んでいる物もあるため、栄養ドリンクよりもシャキッとした感じがするという人がいるのも当然かもしれません。

日本では摂取制限量が明示されていない

カフェインは中枢神経を興奮させることにより、覚醒作用と強心作用、脳細動脈収縮作用などがあり、眠気を覚まし、倦怠感を払う効果がありますが、過剰摂取が命に関わることでも有名です。

また、一部の喘息の薬と併用すると副作用が出やすくなり、胃潰瘍や緑内障、心臓病がある人には医薬品としてのカフェインは慎重な使用が求められています。今回は国内で初の死亡例が出てしまいましたが、海外では以前より死亡例が確認されていました。大きな問題点は、日本ではカフェインの摂取制限量が示されていないことです。外国では明確になっている国が増えており、例えば、フィンランドでは体重50キロの人が1日50ミリグラム(ドリンク剤約1本の量)を超えると、カフェイン依存症の兆候と示されています。オーストラリアやニュージーランドでは、1日の摂取量を210ミリグラムまでと推奨しています。カナダは400ミリグラムです。

知らないうちに過剰摂取になっていることも

カフェインは適量を上手に使えば問題ありませんが、注意したいのが知らないうちに過剰摂取になっている場合です。コーヒーや緑茶などの飲料はもちろんですが、風邪薬などにも多く含まれているので注意が必要です。例えば、風邪を引いてカフェイン配合の風邪薬を服用し、栄養ドリンクを飲んでコーヒーを飲み、エナジードリンクも……。なんてことをすれば、思わぬ体調不良が起こるかもしれません。

カフェインは眠気覚ましに使われているように、本来はカラダからの「休みなさい」という信号をかき消し、ある意味「頑張らせてしまう」成分です。疲労が溜まり、弱った体にカフェインの大量飲用は「痩せ馬にムチを振るうようなモノ」です。

子どもの飲み方にも注意が必要

無理をしたいのではなく、単純に疲労をとって次の日に疲れをできるだけ残したくない人は、カフェインの入っていない栄養剤の方が良いでしょう。カフェインは眠気を覚ますことはできますが、睡眠不足を解消する成分ではありません。

カフェインは子供でも購入できるエナジードリンクはもちろん、炭酸飲料などのジュースにも含まれていますので、子供の飲み方にも注意が必要です。一番身近な薬物中毒になりえるカフェインの扱いを、日本はもっと真剣に考える時期に来ていると思います。

国立がん研究センターが「コーヒーと緑茶摂取で死亡リスクが低減」という発表を以前していましたが、決してカフェインだけの働きではありません。このニュースを聞いて、飲み過ぎて体調を崩したという人も少なくないと思います。何事も「過ぎたるは及ばざるが如し」です。疲れが溜まっているという人はまず、休息が大切です。カフェインの過剰摂取で、カラダを無理させすぎないように注意しましょう。

早川弘太

漢方と健康相談のプロ

販売職

早川弘太さん(株式会社 沢田屋薬局)

Share

関連するその他の記事

110歳まで生きるためには何が必要!?90歳代になったら必要なことは筋トレ?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

10月に咳が続く様になるのはなぜ?その対処法は鍼灸治療で出来る!?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

体の不調を薬で抑えることは危険!? 病気回復に必要な考え方は質より量!!

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

後遺症も怖い熱中症にはしっかり対策を!熱中症後の早期回復に鍼灸治療は役立つ!?

清野充典

清野充典さん

東洋医学と西洋医学の融合を目指す鍼灸師・柔道整復師

カテゴリ

キーワード