自殺に追い込んでも罪の意識はなし?ネットいじめに関わる女子中学生たち
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他人を自殺に追い込むと捕まることを知らない女子中学生たち
デジタルアーツが実施した「未成年者と保護者のスマートフォンやネットの利活用における意識調査」によると、驚くことに女子中学生の約6割が「他人を自殺に追い込むと捕まる」ことを知らないという結果が出ました。男子中学生で3割強、女子高校生では3割弱という結果と比較してもとても顕著な数字です。一体なぜこういう結果が出たのでしょうか。
まず考えられることは「知識の無さ」です。ネットリテラシー教育の必要性が叫ばれている中で、ネットでの発言が「自殺教唆」という犯罪にもなりうることを教える必要があります。しかし「知識の無さ」という点では男子も同じはずで、この結果はやはり女子中学生に特有の心理と「ネットいじめ特徴」の関連を考えずにはいられません。
仲間と同じであることを確認し合い、自分たちを正当化
ネットいじめは孤立した閉鎖状況で行われるため「同調しなければ自分も同じような目にあう」というような「同調圧力」や、苦しむ相手の表情を見て喜ぶ「いじめ快感」よりも、「ふざけ・遊びの延長」や「相手に悪いところがあるから」という「いじめ正当型」が多いという調査結果があります。
この傾向はどうやら、中学生年齢の仲間関係のあり方と深くかかわりがあるようです。中学生年齢の仲間関係の特徴として、「仲間と同質を確認し合う」という傾向があります。それは特に女子に強く見られ、「私たち、同じね」という感覚を共有し安心しあうのです。そのため仲間内で秘密を共有し、時には誰かを仲間外れにすることで残りの集団の凝集性を高めたりもします。
その特徴から「悪いのは相手で、私達は悪くない」という「いじめ正当型」が女子中学生に多く見られることは納得できます。それが自らの行為に対する違法認識の甘さにつながり、自殺したのは「相手の責任だ」という感覚に陥るのかもしれません。その意味で「自らの行為に自覚を深める教育」も必要でしょう。
ここまですれば違法だが、ここまでなら大丈夫といった意識も
ところが別の調査によると、たとえ「他人を自殺に追いこむ」などの行為が、犯罪・違法になるという知識や自覚を持っていたとしても、それがすぐに中高生たちの規範意識を高めるとは限らないという結果も出ています。
特に悪質ないじめ加害者に関しては、逆に「ここまですれば違法だが、ここまでなら大丈夫」という方向性で規範意識を弱めてしまう可能性もあるのです。このような点から、今後女子中学生に限らず「ネットいじめの違法性の自覚」とともに「規範意識の内面化」をどう図っていくかが、大きな問題であると思われます。
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