マイベストプロ

JIJICO powerd by マイベストプロ

  1. マイベストプロ TOP
  2. JIJICO
  3. お金・保険
  4. 実はメリットが少ない?注目される「結婚・子育て資金」贈与非課税

実はメリットが少ない?注目される「結婚・子育て資金」贈与非課税

カテゴリ:
お金・保険
キーワード:
贈与税

結婚・子育て資金の一括贈与が新しく創設

贈与非課税の新制度スタート、結婚・出産を後押しするか?

最近、子育て世代への資金贈与の話題に注目が集まっています。例えば、既に始まっている「教育資金の一括贈与」。これは30歳未満の孫に対し、教育費用を祖父母が一括で1,500万円まで非課税で贈与できる制度です。高齢者には比較的裕福な人も多く、また「孫へ」の教育のためであれば財布の紐も緩むのか、非常に関心度の高い制度です。

また、直近では、「結婚・子育て資金の一括贈与」が新しく創設されました。こちらは、50歳未満の子どもや孫に一括で1,000万円まで非課税で贈与できるという制度です。「24時間働けるモーレツサラリーマン」が当たり前だった祖父や父親世代が現役の頃とは異なり、草食でイクメンな子どもや孫世代の懐事情は、お金に余裕のある高齢者からすると「なんとか支援してあげたい」対象なのかもしれません。

妊娠・出産に関する経済的支援は以前より改善されている

今回の子育て資金の一括贈与は、働く女性が子どもを安心して産める環境作りの後押しになると期待する報道も一部では見かけられます。しかし、本当に今回の税制変更が「子育て世代」のメリットになるのでしょうか。

実は、妊娠・出産に関する経済的支援は、以前よりもかなり改善されてきています。妊婦健診の一部無料化、出産一時金の引き上げ、産前・産後の手当、育児休業給付の引き上げなどです。また、子どもの医療費は未就学児童のみならず小学校あるいは中学を卒業するまで無料にしている市区町村も増えており、子育て環境は大きな変化を遂げました。

今回の税制改正がメリットになるケースは極めて稀

むしろ、保育園のキャパシティーや職場の受け入れ態勢、働く子育て世代の精神的あるいはキャリアサポートなどの部分が遅れていると、個人的には感じています。また、教育資金あるいは子育て資金といったものは、常識的な金額の範疇であれば、もともと贈与税がかかるような性質のお金ではなく、これまでも「非課税」でした。そのため、今回の税制改正が本当にメリットになるケースは、極めて稀なのではないかと思うのです。

例えば、教育資金の一括贈与は、お金をあげたい祖父母がとても高齢で、余命いくばくもないという場合には有効かもしれません。しかし、今後、孫の進学に合わせて都度資金援助が可能な人は、敢えてこの制度を使う必要性は薄くなります。特に一括贈与を利用すれば、お金の使い道が教育資金に限定され、清算が領収書と引き換えであるため手続き的な煩わしさが発生します。

税制としても子育て支援策としても、インパクトに欠ける

また、子育て資金贈与も、領収書をもって清算というプロセスの煩わしさは同じですが、受けた資金を使い終わらないうちに贈与者が亡くなれば、残額について相続財産の対象になるため、相続対策という側面でもやはり注意点があります。

以上のことから、非課税という理由で子育て世代へプラスに働くとは一概に言えない状況にあります(お金がもらえるのは確かにプラスですが)。あくまで私見にはなりますが、税制としても子育て支援策としても、少しインパクトに欠けるのではないかと考えてしまいます。

年金・資産運用に強い独立系ファイナンシャルプランナー

山中伸枝さん(株式会社アセット・アドバンテージ)

Share

関連するその他の記事

祖父母から子や孫へ!政府が必死になる贈与税非課税制度とは?

政府は資産家の高齢者から子どもや孫へ資産移転を促し、若年層の消費活性化を図ろうとしている。しかし、資産移転は思うように進んでいない。制度の新設や非課税金額の拡大などが予定される制度について解説する。

米津晋次さん

夜10時までお客様の相談に対応する税理士

少子化にも影響?家計を圧迫する教育費対策術

日本政策金融公庫から発表された教育費負担実態調査を見ると、家計に占める教育費の負担割合が年々、重くなっていることが分かる。日本の少子化にも影響している教育費増大への対策方法を専門家が解説する。

中村伸一さん

お客様の人生を豊かにするマネーデザイナー

相続税対策、生前贈与で損しないために

相続税の基礎控除が大幅引き下げへ。4つの贈与税の非課税措置を利用した生前贈与は効果が期待できる。また、暦年贈与の金額は310万円以下が一つの目安。老後の生活資金との兼ね合いで無理のない金額設定を。

松浦章彦

松浦章彦さん

老後に備えた資産形成や不動産活用を顧客目線で考える税理士

相続税改正における暮らしへの影響

平成27年1月1日以降、相続税法が大きく変わる。基礎控除額が引き下げられ、都心部では、3人に1人は相続税が発生するという試算も。生前に遺産を次世代に移転できれば相続税は節税でき、経済効果も期待できる。

松岡敏行

松岡敏行さん

相続の専門家

カテゴリから記事を探す

キーワードから記事を探す