安藤美姫が出産を告白。急増するシングルマザーへの支援制度
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急増するシングルマザー
先日、フィギュアスケートの安藤美姫選手が出産していたことを告白しました。父親は明かされず、現時点では未婚で、シングルマザーとなっています。
日本のシングルマザーの数は、2010年の統計によると108万2千人。そのうち、未婚者は13万2千人です(総務省統計局)。特に未婚のシングルマザーは急増しており、2005年からの5年間で約5割の増加となっています。母子家庭の自立と、その児童の健全な成長を確保するため、経済的支援や生活支援の他に就業支援や養育費の確保の制度などが用意されています。
シングルマザーへの経済的支援・生活支援
■児童扶養手当
一人親家庭には、所得に応じて、児童一人につき約1万円~4万円(2人の場合,5千円加算など)が支給されます。手続きは、各地方自治体の福祉課などにお問い合わせください。
■就学援助
小中学校など義務教育の間、授業料は無料ですが、給食費や学用品代は必要です。就学援助として、一定の金額が支給されます。小中学校や自治体の教育委員会などに申請することになります。
■貸付金
「母子福祉資金貸付金」という制度があります。子どもの学業のためにお金が必要になった時などに、無利子または低金利で貸付を受けられるものです。
その他にも国民年金保険料の免除や医療費の助成、水道料金の減免およびJR通勤定期券の割引などの制度もあります。また、安い金額または無償で母子生活支援施設に入居することもできます。
シングルマザーへの就業支援
職業訓練で指定された講座を受講する際の授業料の一部の援助(自立支援教育訓練給付金)や、看護師や保育士などの一定の資格を得るために学校に通うときの生活費などの援助(高等技能訓練促進費)などを受けることができます。また、「マザーズハローワーク」として、子連れでの就業相談や、育児と両立しやすい仕事の紹介、保育所などの情報提供も行われています。
養育費の確保について
未婚の場合に、相手の男性に認知(民法779条等)させ、養育費の支払いを求めることもできます。任意に認知などをしない場合には、家庭裁判所で認知請求調停や訴訟(同法787条)、養育費の調停などを申し立てることもできます。この手続きは本人でも可能ですが、弁護士に相談・依頼する人が増えています。「法テラス」を利用することにより、弁護士の着手金などが立替えられ、母子家庭の場合は、償還(立替金を返済すること)の猶予・免除となる場合もあるでしょう。
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