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中国「Made in PRC」は不当表示?

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「PRC」表記は、売上アップを狙う中国企業の苦肉の策

中国「Made in PRC」は不当表示?

最近になって、家電製品などに「Made in PRC」と表記されている商品が並ぶようになりました。「PRC」とは、「People’s Republic of China(中華人民共和国)」の頭文字を並べて表記したものです。当初、中国産の商品は、「made in China」と表記されていましたが、ここ数年で「Made in PRC」に変更されたものが多いようです。

一説には「made in China」では、売り上げが伸びず、売り上げを伸ばすために「Made in PRC」に変更したともいわれています。近年、日本人の中国製品に対する信頼は限りなく低くなり、そのイメージを払拭したい中国企業の苦肉の策かもしれません。「PRC」が中国を指すことを一般の消費者が知っていれば特に問題ありませんが、「China」よりも知られていない名称を表示することに法的な問題はないのでしょうか。

一般的でない略称を用いた点が不当表示に該当するか

不当景品類及び不当表示防止法(景表法)4条3号及び「商品の原産国に関する不当な表示」(告示)は、外国産の商品について原産国以外の国名、地名、国旗、紋章、事業者の名称等を表示し、その商品がその原産国で生産されたものであることを判別することを困難にするものを禁止しています。

今回の問題点は、原産国以外の名称等を積極的に表示したのではなく、原産国を表す表記として、あまり一般的でない略称を用いた点が不当表示に該当するか否かです。「PRCがPeople’s Republic of Chinaの略称であって、中国以外の国を指すものではない」「USAがUnited States of Americaの頭文字を並べて略称とするのと同じ」と考えれば、不当表示には該当しないともいえます。

消費者の誤認を利用した販売動機は保護に値しない

しかし、原産国がどこかは、消費者が商品を購入する上で重要な情報であり、原則として正式名称を表記すべきです。略称が許容されるのは、略称を用いても消費者が容易に原産国を判別できる場合に限るのが、消費者保護に資すると考えられます。

「USA」表記からアメリカ合衆国を想起する消費者は存在しますが、「PRC」と表記されて、中国産だと判別できる消費者はそれほど多くはありません。消費者は必ずしもPRCが中国であるとの認識を持たず、結果、中国以外の国であると誤解してしまう可能性があります。実質的に原産国以外の名称等を表示している、あるいはそれと同様の効果をもたらしていると考えられます。

しかも、生産者側が消費者になじみのない略称をあえて使用するのは、原産国を隠したい、あるいは曖昧にしたいからだと解されます。消費者の誤認を利用して商品を売ろうとするこのような動機は、保護に値しません。

消費者が一定の自己防衛をして対処する必要がある

したがって、消費者の一般的な認識を鑑みると、「PRC」表記は不当表示に該当すると考えざるを得ません。ただし、今後「PRC(China)」などの記載がなされ、「PRC」がそれ自体で中国を指すものと消費者が認識するようになれば、不当表示性は解消されるかもしれません。

しかし、それには生産者側の真摯な対応や消費者に定着するまでの時間が必要です。その間は「PRC」に限らず、あまり聞きなれない表記があれば、店員やメーカーに確認するなどして、消費者が一定の自己防衛をして対処しなければなりません。

中小企業の知的財産権を守る専門家

長谷川武治さん(関西生祥法律事務所)

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