人気タレントの父親が搾取の疑い。海外療養費とは？

カテゴリ：

法律関連

海外療養費とは、どのような制度か

人気タレントであるローラさんの外国籍の父親が、国民健康保険の海外療養費制度を悪用して不正受給する方法を指南したということで国際手配されています。海外療養費とは、海外旅行などで急に海外で治療を受けなければならなくなったとき、一旦全額自己負担して、帰国後に保険者に申請することにより医療費の一部を払い戻してもらうことができる制度です。

海外療養費は、支給決定される日のレートで円換算し、日本国内の医療機関で同じ病気やケガを治療した場合にかかる医療費を基準に計算した額から、自己負担相当額を差し引いた額が支給されることになっています。申請期限は、時効により医療費の支払いをした日の翌日から数えて2年を経過するまでです。

今回のようなことがきっかけで、市区町村、協会けんぽ及び健保組合などの窓口での審査や添付書類のチェックなどは厳しくなることが予測されます。

海外療養費の対象になるケース、ならないケース

海外に出かける理由が旅行に限らず、一時出張などの場合でも当然に海外療養費の対象となります。ただし、海外療養費は、海外で療養したものがすべて対象になるわけではなく、あくまで日本国内の国民健康保険（健康保険）で保険適用になる療養が対象になります。

また、療養（治療）自体を目的に海外に出向き、診察を受けた場合は海外療養費の対象とはなりません。なお、仕事をしている労働者の出張中のケガや病気は、労災適用になる場合もあり、その都度判断が必要です。

海外療養費制度申請にあたっての注意点

実際に申請する際には、国民健康保険または健康保険などの保険者（市区町村、協会けんぽ、健康保険組合など）で用意している申請書に、医師の証明のある診療内容明細書及び領収明細書などを添付しなければなりません。明細書などは、日本語に翻訳した資料が求められていると同時に、翻訳者の住所や氏名も記載することになっているので、記載方法や添付書類に関しては保険者の窓口で事前に相談をしておいてください。

海外に行く際には、いつでも治療を受けることができるように常に申請書を携帯しておくと帰国後にスムーズに手続きを進めることができますので、参考にしてみてください。