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公的年金だけじゃ「老後破産」に一直線?

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一人暮らしの高齢者が600万人と急増。「老後破産」が深刻

公的年金だけじゃ「老後破産」に一直線?

高齢者の「老後破産」が増加しています。一人暮らしの高齢者が600万人と急増しており、そのほとんどが年金収入だけで暮らしています。その半分近くの一人暮らしの高齢者は年金収入が120万円未満。その内の約70万人は生活保護を受けています。残りの200万人は生活保護を受けていませんが、生活をしていくのに厳しい状況です。

特に、平成25年10月分からの特例水準の解消による年金の減額、消費税率の引き上げによる物価上昇、保険料の引き上げによる影響があります。

大企業に勤めて退職金を受け取って退職した人も例外ではない

この老後破産は、何も特別な人だけに起こることではありません。大企業に勤めて退職金を受け取って退職した会社員でも、老後破産に陥る例が多くあります。退職後も現役並みの所得が継続的にあれば、ゆとりのある生活を送れるかもしれませんが、現実はかなり厳しいでしょう。退職後も年金の所得に応じて各保険料、住民税、所得税がかかってきます。他に、自身や配偶者の病気にかかるリスクも大きくなります。また、老親がいれば介護費用の出費の可能性もあります。

これらの場合でも、かつては子どもがいれば頼ることができましたが、今はそういうわけにはいきません。子ども自身が終身雇用ではない非正規雇用であるなど、支えることができる状況でないことが多くなっています。

公的年金の上乗せとして民間の保険や個人年金の活用を

では、老後破産を防ぐには、どうしたら良いのでしょうか?日本では、平均寿命が男女ともに延びていることから65歳で退職しても後20年近くは生きることになります。この長生きのリスクに対しては、もしもの時のために民間の保険に入っておくことが重要です。特に、がんなどの重い病気にかかれば医療費が高額になり年金だけでは賄いきれません。そのための医療保険やがん保険、死亡に備えての終身保険、個人年金など、公的年金の上乗せになるものに加入しておくと老後の安心につながります。

そして、気を付けなければならないのは、公的年金にある遺族年金です。遺族であれば誰でも受け取れるわけではありません。特に自営業を長く続けてきた人が亡くなった場合は遺族基礎年金しかなく、原則として18歳の年度末までの子どもがいないと受給できないので、会社員の場合より保障を厚くしておく必要があります。

今、労働力人口の減少で高齢者の活用を進めていますが、働くことができる間は、できるだけ働くことで収入の確保や健康の維持につながります。同時に、言うまでもなく、普段から節約をして貯蓄をしておくことも大切でしょう。

リスク対応型就業規則作成と障害年金請求の専門家

松本明親さん(社会保険労務士 松本事務所)

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