円安による物価上昇から家計を守る外貨投資
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消費者物価指数は、前年同月比3.0%の上昇
10月31日に総務省から発表された消費者物価指数(生鮮除く)は、前年同月比3.0%の上昇。物価の上昇が家計を圧迫しています。通信費や住宅ローン等の金利が比較的抑えやすい一方、食料品では小麦製品、乳製品等の価格が高騰。光熱費は原油価格の影響もあり(最近は下がっていますが)、数年前よりも高い水準で推移しています。
また、保険でも地震保険料が全国平均で15.5%アップし、火災保険も来年10月から大手の長期契約見直しにより実質負担増となります。
物価上昇の要因は、人件費、消費税、そして円安
現在の物価上昇の要因は大きく3つに分けることができます。
1つ目は人件費。景気回復により有効求人倍率が上昇しています。自分の好みに合う仕事を選ぶ人が増加しており、給与が低かったり、仕事がきつかったりする業種・現場では人を集めにくく、例えば建設現場での人手不足は深刻です。人手確保のため、給与・手当がアップしており、その影響が物価にも波及しています。
2つ目は消費税。事業者が消費者に対して3%を適切に転嫁できるように政府も後押し。また、税抜表示も増え、負担感は従来よりも重くなったと感じられます。
そして、3つ目が円安です。今年は1米ドル100円台のレンジで推移。2年前の11月は1米ドル70円台後半でしたので、約30~40%前後の円安が進行していることになります。輸出で収益の多くを稼ぐ企業にはプラス要因ですが、家計にはマイナス要因。原油、牛肉、小麦、大豆、コーヒー等、輸入品だけでありません。国産の牛肉や豚肉等の畜産品も輸入飼料への依存度が高く、また、国内企業が販売する衣料品、日用品も海外の工場で作り、輸入しているものも多いため、円安による影響は決して小さくないのです。
長期的な投資スタンスで「守り」の姿勢がポイント
現在のような円安が大きく影響しているような物価上昇に備えるには「外貨投資」の1つの手段です。「円高=円の価値が高い=外貨の価値が低い」「円安=円の価値が低い=外貨の価値が高い」ことを意味します。円高(外貨の価値が低い)時に外貨を購入し、円安(外貨の価値が高い)時に外貨を売却して円に戻すと収益が得られます。
外貨投資には、銀行が扱う外貨預金、証券会社が扱う外貨MMF、外国債券、外国株式、FX会社が扱うFX等がありますが、円安による家計負担増に備える目的で外貨投資をする場合、過剰なリスクを負担する必要はありません。できる限り為替手数料の負担を抑え、長期的な投資スタンスで「守り」の姿勢で外貨投資に取り組むことがポイントです。
円安が進行し、物価が上昇したときには、家計負担増の一部を外貨建て商品の収益で手当てします。円高が進行すると、外貨建て商品は損失が発生しますが、円高による物価上昇の影響はないため、将来のさらなる円安に備え継続する、または外貨預金であれば外貨のまま引き出し、海外旅行で使うこともできます。
国としても外貨建て資産の運用割合を高める方針
また、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の平成25年度末の資産構成割合は、外国債券11.06%、外国株式15.59%、合計26.65%です。この割合を外国債券、外国株式を合わせて40%近くまで高める方針です。つまり、外貨資産の割合を高める方向性を打ち出しています。
31日午後、日銀の年10~20兆円の追加金融緩和の決定を受けてさらに円安が進行しています。将来の動向は誰にもわかりませんし、外貨投資をしないことが、結果的に正解だった、という可能性もあります。しかし、円安による物価上昇が家計に与える影響を少しでも小さくしたいと考えるのであれば、金融資産のうち適度に外貨を保有する、という選択肢を検討してみても良いと思います。
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