文武両道の子どもに育てるには
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まさに文武両道。初の京大出身のプロ野球選手誕生へ
プロ野球ドラフト会議で京大・田中英祐投手が、千葉ロッテマリーンズから2位で指名されました。京大から、初めてプロ野球選手が誕生します。田中投手は、同大学工学部で専門課程の勉強を続け、関西学生野球リーグで京大史上最多の8勝をマークしました。過去には東大出のプロ選手もいましたが、最近では、勉学もスポーツもといった文武両道に通じる学生が少なくなっている中での快挙です。
昔から、文武両道に優れていることは人間の理想の姿とされ、健全なる身体に健全なる魂が宿るとされていました。しかし、最近では、なかなかそうはいかないようです。文は文、武は武と、どちらか一方に偏る傾向にあります。学歴をつけさせて社会に出すか、スポーツ選手あるいはスペシャリストとして育てるか、早い時期から子どもの将来のためと、無自覚な自己満足で子育てをしている親が多く見られるような印象を受けます。
子どもへの見切りの早さに驚くことも。親にも我慢が必要
また、最近の子育ての特長として、過保護と放任の二極化が進んでいるようです。小さい頃から数多くの習い事、英才教育に子どもを駆り立てる。そうしないと子どもが勝ち組になれないと真剣に悩んでいる親がいる半面、経済的な諸事情から、構いたくても構えない家庭も増えています。
昔は、子どもは「天からの授かり物」でした。しかし今は、子どもは「親が作るもの」になったように感じました。世話するものから、所有するものになってしまったのです。それ故、子どもを自立させることより、構うことが親の役目となりました。巣立たすために鍛えることより、子どもを甘やかし振り回すことが昨今の子育てになっているように見受けられます。こんなことで文武両道の子どもなど育つはずはありません。親にも我慢がないというか、子どもへの見切りの早さに驚くことも多くあります。
思春期を迎えるまでに、子どもを自立させる
では、どうすれば文武両道に通じた子どもを育てることができるのでしょうか。私は思春期を迎えるまでに、子どもを自立させることだと信じています。子育ては「手をかけ、目をかけ、気をかける」と言われています。幼稚園までは愛情たっぷり手間かけ暇をかけ子どもを育て、小学生になれば社会のルールや我慢をしつけ、中学生になれば他者とのかかわりや自分で価値判断することの大切さを教え、思春期を迎える頃には自立する手助けをし、社会へと巣立っていくのを見守る。
文は知識力・人間力、武は精神力・体力だとすれば、文武両道の子どもに育てるということは、自分を律することのできる子ども、自立した子どもに育てることにほかならないのではないでしょうか。
小学生の能力(脳力)開発の専門家
栢原義則さん(進学塾「エフイーアイ」(FEI))
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