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「毒親」にならないための子育ての掟

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「生きにくさ」を感じ模索する人々が行き当たる「親の養育態度」

「毒親」にならないための子育ての掟

今、子どもの人生を支配するように関わる親を扱った書籍や映画が話題となっているそうです。そのような親たちは「毒親」「毒母」と呼ばれ、子ども側が体験をつづった書籍の発売が続いています。

「バカだ!」「何をやってもダメな子だ!」「生まれて来なければ良かったんだ!」「お前が悪いからだ!」「何回言っても分からない子だ!」「あんたさえいなかったら!」。これらは、実際にクライエントから聞いた「親から言われた言葉」の一部です。

親の気持ちの底には、しっかりと育ってほしいという「愛」があります。しかし、たとえ1か月に1回でも上記のような言葉を言われると、子どもからしてみれば「いつも言われている」という気持ちになってしまうこともあるでしょう。さらに、自分を否定的に考えるようになります。そして、年を重ねるにつれて、自分自身や他者に「否定的・悲観的な見方」が固定していく可能性があります。「自己肯定感が持てない」「自分を好きになれない」「不安感を持つ」「自分を無価値だと思う」などです。

このようなことから「生きにくさ」を感じ、「解決したい」と模索する人々の多くが行き当たるのが「親の養育態度」です。

「課題の分離」を意識し、親が持つ愛情や心配は胸に秘める

毒親とならないための対応方法は、とてもシンプルです。相手が子どもであっても「人としての価値は対等であることを意識し、尊厳を傷つけないように接する」こと。具体的には「生涯お付き合いしたい大切な友人」に接するような態度と言葉遣いを心がけます。

もう一つ意識することは「課題の分離」です。「子どもを思う愛情は、誰の課題か」と考えてみましょう。「親が」子どもを思うのですから、それは「親の課題」です。また、子どものことが心配、不安があるというのは「誰が心配しているのか」を見ると「親」ですから、これも「親の課題」となります。親として、あふれる愛情やそこから来る心配や不安を持つのは自然なことです。しかし、子どもに対応する時、心配や不安は自分の胸に秘めておきましょう。

子を信じて「友人に対するように」「課題の分離」を一貫して実践

一方、子どもの人生は「子どもの課題」です。子どもが自分で考え行動し、その結末から学んでいく過程に干渉しないことです。たとえ失敗を繰り返したとしても、「一貫した態度で、揺らぐことなく、優しく、温かく見守り、援助する」に徹します。「子どもの課題」に協力して取り組むのは、次の3点のいずれかが当てはまる時だけにしましょう。

(1)子どもから「具体的な迷惑」を受けた(例:塾の費用を払っているのにサボっている。子どもが学校の規則を破って親が呼び出しを受けた)
(2)子どもから援助を頼まれた(例:進路のことで相談に乗ってほしいと子どもが言ってきた)
(3)子どもに援助を申し出て受け入れられた(例:「そろそろ進路決定の時期だけど相談してほしいことがあったら言ってね」と声をかける。子どもから相談を持ち掛けてきた時のみ対応する)

子どもを見守ると同時に援助する気持ちがあることを定期的に伝えます。1週間に少なくとも1~2回は声をかけてあげてください。「お母さん(お父さん)にしてほしいことがあったら言ってね。できる範囲で、できる限りのことをするから」と。

子どもは誰もが「自分の課題」を解決していく力を持っています。子どもを信じて「友人に対するように」「課題の分離」を一貫して実践することが「毒親」にならない接し方だと実感しています。

アドラー心理学&発達性トラウマセラピスト

福田 シェシャドゥリ 育子さん(松戸こころの相談室)

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