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消費税還元セールを政府が禁止。違法にならないセールは?

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禁止される「消費税還元セール」。その注意点

消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とし、消費税の円滑かつ適正な転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法が2013年6月5日に成立しました。同条8条では、事業者に対し、2014年4月1日以後、自己の供給する商品又は役務の取引について、以下の3点を禁止しています。

(1)「取引の相手方に消費税を転嫁していない旨の表示」
(2)「取引の相手方が負担すべき消費税に相当する額の全部又は一部を対価の額から減ずる旨の表示であって消費税との関連性を明示しているもの」
(3)「消費税に関連して取引の相手方に経済上の利益を提供する旨の表示であって前号に掲げる表示に準ずるものとして内閣府令で定めるもの」

具体的には、(1)では、「消費税はいただきません」、「消費税を当店が負担します」などの表示が禁止され、(2)では、例えば、「消費税増税分について値引きします」、「消費税還元3%値引き」などの表示も禁止されます。(3)については、内閣府令が定められていない現時点では、どのようなものが対象となるか不明ですが、「消費税相当分のポイント付与」、「消費税相当分のポイント還元」といった実質的な利益の提供を行う旨の表示が禁止されるものと思われます。

増税時期でも「3%値下げセール」は違法にならない?

以上のように、いわゆる「消費税還元セール」という表示が禁止されることになりましたが、では、事業者が適法に行うことができるセールはどのようなものがあるのでしょうか。

この点については、後に、消費者庁のガイドラインにより考え方が示されることになっています。消費税という直接的な言葉を入れない場合でも、広告全体の趣旨から「消費税との関連性を明示しているもの」と判断される場合があるか、そのような判断を受けるセールの表示はどのようなものかという点ついて、ガイドラインを注視しておく必要があるでしょう。

報道によれば、消費者庁、経済産業省など5省庁の連盟での「消費税の転嫁を阻害する表示に関する考え方」と題した文書が出されました。同文書では、消費税という表記を含まないセールは、「宣伝や広告の表示全体から消費税を意味することが、客観的に明らかな場合でなければ禁止される表示に該当しない」とされています。また、増税時期と重なっても、「春の生活応援セール」や「3%値下げセール」という表現は、消費税との関連性がはっきりしないものとして容認するとの考え方が示されています。

消費者庁のガイドラインにもこの見解が踏襲されるのであれば、消費税との関連性が明らかでないと認められるセールは、広く容認されることになるのではないかと予想されるところです。

企業法務と事業承継支援の専門家

大西隆司さん(なにわ法律事務所)

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