実は間違いだらけ?お墓参りのマナーと作法
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現代の墓地事情に合わせたマナーと作法について
お墓参りのマナーと作法については、さまざまな説があります。例えば、「お墓に水をかけるのは、ご先祖さまに冷や水を浴びせることと同じなので良くない」「たくさんの煙を焚くことにより周囲の邪気を追い払うために線香は束のまま火をつける」などがあります。
お墓参りの仕方については、宗教、宗旨・宗派などによっても異なりますし、地域の風習に影響するところが大きいため、ここでは、その部分の是非には触れず、墓石への影響や現代の墓地事情に合わせたマナーと作法について考えてみます。
お墓は水でホコリを流し落としてからタオルで拭く
お寺に墓地がある場合には、お墓参りの前に、まず本堂のご本尊に手を合わせ、ご住職にもご挨拶をしましょう。また、一般の霊園で、管理事務所で手桶や借りた手桶やひしゃくは、墓参後にはきちんと元に戻し、ひとことご挨拶をかけてから帰るようにしましょう。また、掃除道具や手荷物などを、近隣の墓所の敷地内に置かないようにしましょう。
砂ぼこりが付いている状態で、水をかけずにいきなりタオルで拭くと、墓石にキズが付きます。特に黒系の石は、キズがよく目立ちます。たっぷりの水でホコリを流してからタオルで拭くようにしてください。洗車をする時に、まず水でホコリを流すのと同じです。また、タワシなどの硬いものでこするのもあまりお勧めできません。
お供物はお参りが終わったら必ず持ち帰る
お墓に供えるお花には、ユリの花粉のように服や石に付着すると取れにくいものがあります。墓石の石の種類によっては、石目の間にユリの花粉が入り込み変色する恐れがあります。
また、お供物は故人の好物であった果物やお菓子、飲み物などをお供えしますが、お参りが終わったら必ず持ち帰りましょう。ガラス瓶や缶入りの飲み物は破損やサビが石に付着する原因となりますし、食べ物をそのまま置いておくと、カラスや野生動物が墓所内を荒し、自分の墓所だけではなく、近隣の墓所の迷惑にもなります。
お墓にお酒やジュース、盛り塩は禁止
「故人が好きだった」という理由で、お墓にお酒をかける人がいますが、墓石の変色・変質の原因となりますので、お酒やジュース、コーヒーなどはかけないでください。
また、厄除け、魔除けの意味で、墓所内の石の部分に盛り塩をされる人もいますが、これは絶対に止めてください。石の表面の艶がなくなり変色・変質を起こします。
お墓参りが終わったら必ず火の後始末を
お墓参りに線香やローソクは付き物です。しかし、お参りが終わったら火をきちんと消して帰りましょう。火事にならないとも限りませんので注意が必要です。
何かのついでにお墓参りをする「ついでまいり」は良くないと言われますが、そんなことはありません。足しげくお参りに行くことが大切です。線香、ローソク、お花がなくても手を合わせるだけで十分です。お墓に眠っている故人やご先祖さまは、お参りに来てくれることだけを望んでいます。
お墓参りには、特別なマナーや作法というよりも、むしろ、故人やご先祖さまに対し、どういう気持ちでお参りをするかという部分の方が大切なのです。
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