教育費無償化、5歳児教育重視の理由
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幼稚園や保育所に通う5歳児の教育費無償化へ
先日、文部科学省は幼稚園や保育所に通う5歳児の教育について、費用を無償化するための原案を作成し、財務省と調整に入りました。無償化の対象として年収360万円未満の世帯という所得制限が設けられていますが、英国やフランス、韓国ではすでに無償化が実現しています。
また、下村博文文科相は7月の会見で、2020年度までに、すべての3~5歳児の無償化への移行を終えることを表明しています。しかし、幼児教育は幼稚園が文科省、保育所は厚生労働省と所管が分かれているため一筋縄ではいかないのが現状で、多くの困難も予想されます。
一方、無償化の対象を5歳児と限定した理由には、最近、聞くようになった「小1プロブレム」が大きく関係しているかもしれません。「小1プロブレム」とは、小学校に入学したばかりの児童が授業中に座っていられない、先生の話を聞かないなど、集団行動ができない状態のことを意味します。小学校教員の間では、新1年生が入学してくる4月を「魔の4月」と呼んでいるそうです。この現象は10年程前から出始め、現在、全国の2割程度の小学校で確認されています。
「小1プロブレム」は日本特有の現象
「小1プロブレム」は日本特有の現象で、海外ではこのような報告は見られません。つまり、小学校就学前に子どもを教育する場である、日本の幼稚園や保育園の指導メソッドに原因があると考えられます。幼児期に自由な発想で行動し、自己表現を行い、遊ぶことは非常に大切なことです。反面、あまりに自由奔放に生活をしている子どもたちの一部は、人の話を聞くこと、遊んで良い時と悪い時などのしつけを日常的に受けてないようです。
結果、親と子ども、大人と子どもには上下関係があるという当たり前の関係は崩壊し、子どもたちは親とも先生とも友だちのような関係が当たり前と考えるようになっています。家庭でも怖い存在である父親像は消失し、学校でも「ため口」を使用しています。また、親の過保護・過干渉によるモンスターチルドレンなど、似たようなケースも発生しているようです。
幼少期は特に、各家庭で子どもに対してきちんとしつけを行っていくことが大切です。その後、保育園や幼稚園、さらには小学校の教員としっかりと連携することにより、「小1プロブレム」などの問題も改善されていくかもしれません。政府が5歳児の教育費無償化に動き出すことによって、ようやくその糸口が見えてきたようです。
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