「起業するなら福岡市で」オススメのワケは
福岡市は稀少な北向き繁栄都市
FIFAワールドカップ2014。残念ながらアジア勢はグループリーグで敗退が決まりました。ベスト16を見ると、欧州6、南米5、北中米3、アフリカ2、アジア0と中南米国が躍進。国名と場所が一致しない国もあって、地図を見る機会が増えた人も多いかもしれません。
慣れ親しんだ世界地図を見てみると、今回躍進した南米とアフリカは左右両端に描かれ、距離感を感じます。しかし実際は、大西洋を挟む隣国であると同時に、北米と欧州も同様の位置関係にあります。つまり、環大西洋圏がサッカー先進地域ということに気づきます。今度は世界地図を逆さま、つまりサウスアップにしてアジアを見てみると、「日出ずる国」日本の国名の由来が見えてきます。大陸から見ると、旭日が昇るのは東側(地図では左側)の太平洋に面した弓なりの島々。まさに東の京、東京から陽光が射す。日の本(jitsu-pon)の発音が変化し、JAPANになったといいます。
さらに日本の大都市の分布を見てみます。大部分の大都市が南側の海である太平洋及び瀬戸内海に位置し、地政学的に不利な北側の日本海に面しているのは、福岡市と北九州市、新潟市くらいではないでしょうか(札幌市は内陸)。その中でも大陸に最も近い福岡都市圏。ソウル、大阪は500km圏内、上海、青島、大連、東京は1,000km圏内にあり、海外19都市へ直行便が離発着しています。アジアに最も近く、都市機能がコンパクトに集約。地震が少なく比較的廉価な地価及び人件費が、企業誘致の要因になっています。
国家戦略特区に選出されたアジアのゲートウェイ
このたび福岡市は、全国から6拠点選ばれた国家戦略特区のひとつ、「創業のための雇用改革拠点」として選出されました。福岡市は「世界一ビジネスしやすく、新たな価値を生み続ける都市」を目指し、ベンチャーのスタートアップ支援による開業率の向上とMICE(Meeting,Incentive,Convention,Event/Exhibition=ビジネスイベント)の誘致を通じたイノベーションの推進及び新たなビジネスの創出を政策課題としています。
福岡市国家戦略特区推進本部を立ち上げ、スタートアップ部会、MICE部会、グローバル環境部会を設立し、2018年度に開業率13.0%(2014年度6.2%)、年間新規雇用者数20万人(同14.79万人)を目指します。
知っておきたい起業支援・立地交付金制度
とりわけ特徴的な3つのスタートアップ支援が注目されます。ひとつはグローバル人材育成のため、全国初の交換留学する日本人大学生に対する最大120万円の奨学金制度。2つ目は、世界視野のベンチャーを対象としたビジネスプランコンテスト(最優秀賞・賞金50万円)。3つ目が、起業に詳しいコーディネーターを配したベンチャー起業家支援拠点「スタートアップカフェ」の設立。情報発信、セミナー・イベント開催など総事業費3500万円を投じて委託事業者を公募しています(提案書提出期限:平成26年7月28日)。
一方で、立地交付金制度も見逃すことができません。知識創造型産業やアジアビジネス、健康・医療福祉、本社機能、大規模集客施設など対象分野に応じて土地取得費の10~30%、建物・機械設備取得費の最大10%を交付するほか、建物を賃借する場合は年間賃借料の1/3を交付するなど企業立地を促進しています。LINE、ケンコーコム、マスミューチュアル生命などが、相次いで本社機能を福岡市に移す誘因となっています。
毎年恒例の博多祇園山笠が、7月1日から15日間繰り広げられます。ローカル・アベノミクスが新成長戦略の要諦でもある地方。人口急減問題、成長戦略の実現のためには地方の活性化が不可避です。今回の各特区の思い切った施策が人を呼び込み、起業を促し、地域貢献意識を高め、ムーブメントを巻き起こす。「おいさ、おいさ、おいさ」。底抜けに明るいラテンのノリのようなグルーブが生まれる。770年続く山笠のように。
倒産を回避させる事業再生・生命保険のプロ
村上義文さん(株式会社GAPソリューションズ)