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日焼け止めのSPFとは?30、50など高い方が良いの?体への負担について

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美容・健康

紫外線により受けるダメージを軽減してくれる日焼け止め

太陽の光に含まれる紫外線により、私たちの肌は日焼けをします。日に焼けることでシミやソバカスができるなど、肌はダメージを受けます。白く美しい肌を保つために、私たちにできる身近な紫外線対策として挙げられるが、日焼け止めクリームの使用です。外出する時には必ず日焼け止めを塗るという人、窓やカーテンを透過して室内に入ってくる紫外線から肌を守るため、家の中でも日焼け止めを欠かさない人もいるでしょう。その一方で「日焼け止めは種類が豊富で、何を選べばいいのかわからない」という声も耳にします。

日焼け止めのSPFは紫外線UVB、PAは紫外線UVAに対する防御指数

日焼け止めクリームなどでよく見かけるのが「SPF」や「PA」という表示です。これは紫外線防止効果を現す指標です。2つの違いを把握すれば、目的別に使い分けたり、自分の肌に合う日焼け止めを選んだりすることができるようになります。

【SPF】
「SPF」とは、「Sun Protection Factor(サンプロテクションファクター)」の略で、UVB(紫外線B波)に対しての防御指数を表します。

波長の短いUVBはメラニン色素を増やし、主にシミやそばかすの原因になります。短い時間、日差しを浴びただけなのに真っ赤になった、炎症を起こしてしまったなど、肌トラブルを起こしたことがある人は少なくないでしょう。レジャーやスポーツなど、屋外での日焼けはUVBによるものです。

私たちの肌は表皮、真皮、皮下組織の3層構造になっており、表皮は肌の一番外側にある部分で、表皮の下に真皮、さらにその下の層にあるのが皮下組織です。UVBは、真皮にまで到達することはありませんが、皮膚の表面にダメージをもたらします。やけどのような状態になるサンバーンや、メラニンの沈着で黒くなるサンタンなどが生じます。

こうした短時間で起きる赤みや炎症、しみなどにつながりやすいUVBを防ぐ効果を現すのが「SPF」です。SPFは10〜50までの数値で表示されており、海外ブランドにはSPF100の製品もあります。この数字は日焼け止めを塗らない状態と比較してUVBをどれくらいの時間、防ぐことができるかを表します。数値が大きいほど、日焼けする時間を延ばすことができる仕組みで、屋外にいる時間が1時間以上であればSPF50以上を使うのがよいでしょう。

【PA】
「PA」は、「Protection Grade of UVA(プロテクショングレイドオブUVA)」の略で、UVA(紫外線A波)に対しての防御指数を意味します。

UVAの波長は長く、皮膚の奥深くまで届くため、肌は弾力を失い、しわやたるみの原因になります。雲を通り抜けるほか、ガラスも透過してしまいます。そのため、曇りの日でも、また室内にいても注意が必要です。UVAを浴び続けると肌はゆっくりと黒くなり、ハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸を作り出す繊維芽細胞まで傷つけてしまいます。

UVAは真皮層まで到達し、長時間かけて見た目の印象を大きく変えてしまいます。UVAを防ぐ効果を現すのが「PA」で、4段階の「+」マークで表示されています。「+」の数が多いほど防御の可能性が大きくなります。

日焼け止めの選び方。長時間、紫外線を浴びる場合は数値の高いものを

SPFは、 10〜50までの数値で表されます。PAは、防止効果が強いほうから「++++」「+++」「++」「+」と4段階に分かれます。では、日焼け止めの効果や性能を示す指標が高ければ高いほど良い製品なのでしょうか?

SPF数値を日焼け止めの効果持続時間だと勘違いしている人がいるようですが、10なら10時間効いて、50なら50時間効くという意味ではありません。これらの数値は、紫外線を浴びた時に赤い斑点が皮膚にできるまでの時間を、何倍長くできるかを表したものです。赤い斑点が出て炎症を起こした状態を紅斑と言います。紅斑が見られるまでの時間には個人差がありますが、ほぼ15〜20分と言われています。

紅斑ができるまでに20分ほどかかる人がSPF30の日焼け止めを塗った場合は「20×30=600分」で約10時間
紅斑ができるまでに20分ほどかかる人がSPF50の日焼け止めを使用した場合は「20×50=1000分」で約16時間

上記の効果が期待できるということになります。

数値は、紫外線の「強さ」に対処できる数値ではなく、紫外線を浴びる「時間」に対する効果を指しているのです。海や山など、「紫外線の強い場所に行くから数値が高いものを選ぶ」のではなく、海や「山などは紫外線を長時間浴びるため数値が高いものを選んで使う」というのが正解です。

また日本では一般的ではありませんが、SPF100という日焼け止めもあります。「美白のためには焼かないことが一番」というハリウッドセレブおすすめのアイテムもありますが、数値が高いと肌への負担は大きいと言えます。無理に数値を重視して日焼け止めを選ぶ必要はありません。

【シーン別に見た日焼け止めの使い分け】
●日常的な買い物や散歩・洗濯物を干す間・短時間の庭いじりでは「SPF10+」。
●数時間ほどの外出・屋外スポーツやレジャーなら「SPF30++」。
●炎天下での遊びや運動、マリンスポーツには「SPF50++++」。

SPFやPAの数値は紫外線カットの目安となります。数字が大きいものほど長時間紫外線をカットしてくれますが、「PA+」「PA++」や「SPF15~25」くらいの日焼け止めを中心に使用して、こまめに塗り直すことを心掛けましょう。

肌への負担を考え、外出の目的や自分の肌にあった日焼け止めを

日焼け止めを塗ると「肌が赤くなった」「ヒリヒリした」「かゆくなった」などの経験はありませんか?日焼け止めは数値が高いほど効果も高いのですが、それに比例して肌への負担も増えてしまいます。

日焼け止めには紫外線をカットする成分「酸化防止剤」が含まれています。人によってはこの添加物に反応してしまい、トラブルの原因となります。

酸化防止剤は配合成分により2種類に分けられます。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤には紫外線を吸収して熱に変換し、排出する作用があります。この効果によって紫外線はカットされ、皮膚に届きにくくなります。白く浮いてしまうこともなく、サラッと伸びるので塗り心地も良いのが特徴です。

ただし紫外線を熱に変換する時に起きる化学反応が、皮膚に刺激を与えてしまい、かゆみやかぶれ、乾燥、アレルギーを引き起こす場合もあります。敏感肌の人には紫外線吸収剤が配合されていないものがおすすめでしょう。

紫外線散乱剤
紫外線散乱剤は紫外線をはね返して、皮膚に届かないようにします。紫外線吸収剤に比べ紫外線カットの力は弱めと言えますが、化学反応を起こすことはありません。その分、肌に優しく負担は小さくなると言えるでしょう。ただし粉末状なので白浮きしやすく、使い勝手が悪いのが難点です。

また、ジェルタイプの日焼け止めには、酸化防止剤のほかアルコール系の溶剤が含まれています。肌がヒリヒリしたり、肌が赤くなったり、目に染みる場合もあります。

日焼け止めの成分は各メーカーで異なります。購入する際にはパッチテストを行って、肌に与える影響を確かめることをおすすめします。パッチテストでは、日焼け止めを2cmほど目立ちにくい場所に塗ります。その後は時間の経過を見ながら、赤みやかゆみが出ないかどうかを確認します。30分後、1時間後、できれば1日か2日おいて、発疹や水泡などの肌トラブルが起きていないかチェックしましょう。

敏感肌の人などは、特に注意が必要です。紫外線散乱剤を使った日焼け止めやオーガニック系のもの、赤ちゃん用の日焼け止めなど、肌に優しい製品を選びましょう。

日焼け止めには顔用、体用と表示されていることがあります。顔タイプには美容成分が含まれていたり、体タイプより刺激が少なく作られています。

SPFを気にするだけではダメ!日焼け止めは塗り方も大切

美容を考える上で欠かせない日焼け対策ですが、「日焼け止めのSPF値やPA値にこだわって選べばそれでOK」というわけではありません。気をつけているのに腕には日焼け後がくっきり、日焼けのせいか顔色がだんだんくすんでしまうのはなぜでしょう?

それは、効果的な使い方ができていないからかもしれません。ベタつきやメイクのノリが気になって、日焼け止めを薄めに塗ってしまう人が多いようです。塗る量が少なすぎると効果が半減します。クリーム状を顔全体に使うならパール玉2個分、乳液状なら1円玉2枚分が目安です。スプレータイプを使用する場合は、まだらにならないよう気をつけてください。

塗るときは、指全体を使って大きく動かしながら伸ばしていきます。さらにもう一度、同量を手に取って重ねて塗るようにしましょう。

紫外線を浴びやすいTゾーンや頬の高い部分にはしっかりと塗り、守るようにしてください。紫外線は上からだけでなく、地面に反射し、下から横からと飛び交っているので、首筋やあごのあたりもお忘れなく。髪の生え際や小鼻、眉間の塗り残しにも注意しましょう。

腕や足には容器から直接、たっぷりのクリームを線状に出して、手のひら全体で大きく円を描くように広げていきます。肩やデコルテラインも焼けやすい箇所なので、ていねいに塗りましょう。塗りムラができると層の薄い部分が焼けやすくなります。

日焼け止めを正しく塗っていれば、塗った直後から効果を発揮するので、お出かけの直前でもOKです。

またタオルやハンカチで汗や皮脂を拭くと、摩擦でその効果は少しずつ落ちていきます。紫外線から肌を守りたいなら、2時間おきにこまめに塗り直し、紫外線防御効果をしっかり持続させるようにしましょう。

メイクをしている時の塗り直しは、ファンデーションが崩れてしまうので、ティッシュなどで肌をおさえて脂を除き、スプレータイプの日焼け止めをかけ、手のひらで軽くなじませるといいでしょう。

日焼け止めの消費期限は開封から約1年、去年の残りの使いまわしは控える

紫外線は一年中、降り注いでいます。紫外線が比較的弱い時期というのは11月から1のわずか3カ月ほどです。2月頃から徐々に紫外線量は上がり始め、春先はもちろんのこと、梅雨が明けると一気に強さを増していきます。例年ピークは8月ですが、残暑の頃も油断は禁物です。

日焼け止めをしばらく使わなかったという人も、去年の残りの使い回しはやめましょう。

通常、開封した日焼け止めクリームの消費期限はおよそ1年です。酸化したクリームを使っていないかもチェックしてみましょう。そして生活スタイルや肌状態にあうものを、新しくそろえるようにしましょう。

外見だけでなく、心も輝かせるエステのプロ

秋山由貴美さん(メンタルケア エステティックサロン Estal(エスタル))

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