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社会保障も対象に?聖域なき「骨太の方針」から見える老後の準備

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社会保障制度改革への着手は時間の問題

「骨太の方針」とは、政府の経済政策などの基本的な方針を示す文書のことで、2001年に小泉純一郎元首相が策定したものです。当時、小泉元首相は、「地方交付税の見直し」「道路特定財源の見直し」「郵政民営化」などを打ち出し、聖域なき大改革を断行しました。

今回、安倍晋三首相は「国と地方の基礎的財政収支の赤字幅」をGDP比で10年後に半減、20年後に黒字化する、という財政健全化目標を立て、その目標を達成するために、さまざまな分野で改革を掲げています。「骨太の方針」の素案では、社会保障費の抑制などについて具体的な削減目標は盛り込まれませんでしたが、現状から考え、大きな削減目標を掲げることとなるのは間違いないと思います。もし、今回の安倍首相の方針に社会保障制度の改革が盛り込まれなかったとしても、崩壊寸前の社会保障制度を継続させるためには、近い将来、いずれにしろ改革が必要となるのではないでしょうか。

?「老後を見据えた姿勢」がますます重要に

では、今後、社会保障費が抑制されることを前提とした場合、老後に向けてどのような準備をするべきなのでしょうか。

基本的には、これまでとは根本的な考え方は変わらない、と考えています。今現在も、老後について真剣に考えている人は、ライフプランニングなどを行い、将来的なキャッシュフローを明確に把握しています。そして、そのフローに基づいて、貯蓄や保険・投資などを行っています。今までと比べ、社会保障として受けられる給付金が少なくなったり、医療費が高額になる可能性があるため、多少の修正が必要になってくるかもしれませんが、若い頃からライフプランニングを考える、といった「老後を見据えた姿勢」がまず第一に必要になってくるのではないでしょうか。

例えば、社会保障制度の見直しがあったり、自身の将来的にやりたいことが変わったりと、自他の要因によってライフプランの変更が考えられますので、そのたびに見直しをしていくことで、よりリスク管理をすることができます。一度しっかりと将来に向けて計画をしていれば、すべてを見直さずとも、少しの手入れのみで十分に対応することが可能となります。

老後の準備のための金融商品の選び方

そしてライフプランの後は、老後のために必要な貯蓄、保障(補償)について考えます。必要な貯蓄額は、その準備期間が長ければ長いほど、月々の負担を軽くすることができます。必要な貯蓄額をできるだけ早期に確認することに越したことはありません。

また、保障とは、事前の貯蓄や社会保障で補いきれない部分を準備するために、自分でかける「保険」のことです。しかし、何のために加入する保険なのかどうか、その必要性をより正確に吟味する必要があるでしょう。

さまざまな選択肢がありますが、金融商品には大きく分けると二種類あります。一つは、「元本割れはしないけど、インフレリスクがある貯蓄商品」。もう一つは、「元本割れの可能性はあるが、インフレリスクに対応できる金融商品」。株式投資信託や外国債券、変額保険などです。

例えば、短期的には、インフレリスクはあるものの元本割れしない「一般的な預貯金」を選び、中長期的には、インフレリスクに対応できる株式投資信託や外国債券、変額保険などへの加入をしておきます。老後に向けて、リスクを分散させるように金融商品を選択した方が良いでしょう。

また、保険を使うのも有効です。今は「就業不能」「介護状態」「三大(五大)疾病」になった時に給付されるような商品も多数出ています。ただ、加入し過ぎは無駄の元です。同じ保険でも、どんな状況で保険金が給付されるのか、それが本当に必要なのかを分析していきます。保険商品には細かい約束ごとや特約がありますので、注意しなければいけません。

今まで以上に自己責任、自己準備が問われる老後に

社会保障費用を抑制される、ということは今まで以上に自己責任、自己準備がシビアになってくるとも言えます。より詳細な分析に基づいた老後のための準備を求められる時代が、すぐそこまで来ています。

佐々木茂樹

身近なお金の問題から人生設計までサポートするプロ

ファイナンシャルプランナー

佐々木茂樹さん(ファイナンシャルサービス株式会社)

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