子どもの想像力を高めるために親ができること
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「子どものやりたいことをやらせる」ことで能力が開花
中学3年生にして、世界から「カリスマ起業家」として才能を認められた日本人がいます。米山維斗君。小学4年時の全国統一小学生テストで全国1位を獲得し、第14回ジュニア算数オリンピック大会でもファイナリストになるなど、その天才ぶりは群を抜いていました。小学6年生の時に考案した「ケミストリークエスト」というゲームで、父親が代表取締役、自らが社長となって会社を設立しゲームを商品化しました。
現在、維斗くんは超難関の筑波大学附属駒場中学校に通っていますが、彼のお母さんの話を引用すると「小さい頃から受験を意識した教育はしていません。維斗がやりたいことをやらせてきたら、学力がついてきた感じなんです」とのこと。維斗くんが小学校3年生から週1回だけ通っていた塾は、知識の詰め込みを否定し、文章問題の内容をイラストで表現させ、イメージを膨らませて解かせることで「考える力を養う」という方針だったそうです。
天才と呼ばれる子どもたちの親の共通点は以下の通り。
(1)子どもの才能を認め、好きなようにさせている。
(2)伸びるための環境づくりを一緒になって真剣に取り組んでいる。
(3)謙虚で感謝の気持ちをもっている。
特別な詰め込みや強制的な指導は行っていないようです。
吉田松陰の名言に、子どもの長所を伸ばすためのヒントが
明治維新は、江戸幕府に対する倒幕運動から、天皇親政体制の転換、中央官制・法制・宮廷・身分制・地方行政・金融・流通・産業・経済・文化・教育・外交・宗教・思想政策など多岐に及びました。この維新を成し遂げた「天才」たちを育てた吉田松陰(松下村塾)の名言に「人賢愚ありと雖(いえど)も、各々一二の才能なきはなし、湊合して大成する時は必ず全備する所あらん」というものがあります。
人にはそれぞれ能力に違いはあるけれども、誰でも一つや二つの長所を持っているものであり、その長所を伸ばしていけば、必ず立派な人になれるであろうと言うものです。江戸時代、山口県萩の松本村というピンポイントエリアから、しかも平凡なわずかな子どもたちの中から、維新を成し遂げた逸材を多く輩出した指導方法にヒントが隠れています。
子どもを観察し、長所を認め自信を与えることで「やる気」を育む
生まれながらに持っている子どもたちの長所を伸ばしていくために、現代流にいえばコーチング指導を行っていたものと思われます。コーチング指導とは、指導者(親)が強制的に与えるものではなく、子ども本人をじっくり観察し、その長所を認め、自信を与え「やる気」を引き出すことにあります。
学問を鍛えるのみの特殊な教育方法ではありません。人間社会は人と人の共生で成り立っています。つまり、「人の役に立つ人になること」を学ばせることこそが、人間の想像力の源になると考えられます。
松陰はこんな言葉も残しています。「学は人たる所以を学ぶなり」。学問の目的は、人間はいかにあるべきか、いかに生きるべきかを学ぶことであると。世のため人のため。昔から言われることですが、松陰の言葉には子どもの「想像力」を高める知恵も垣間見ることができるのです。
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