薬ネット販売 一部除き解禁へ。注意したい薬の選び方
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安倍総理の成長戦略第3弾のスピーチにて明言されたことをうけて、一般用医薬品のネット販売の解禁がいよいよ本格的に動き出しました。薬のネット販売が本格的に行われた際、購入する消費者はどのようなことに注意をすればよいのでしょうか? 4つのポイントに分けて解説します。
併用薬の確認
医薬品購入の際に、最も基本となるポイントです。今後、ネット販売では、どのような方法で購入者の服用している薬および併用の可否を確認するかはわかりませんが、購入者の自己責任となるのであれば、「自分が普段から服用している薬と一緒に飲んではいけない薬」「併用すると副作用が起こりやすい薬」をきちんと把握しておかなければなりません。人工透析患者、ワーファリン服用者、糖尿病患者、前立腺肥大患者、緑内障患者などは特に注意が必要です。
アレルギー成分の確認
一般用医薬品には、さまざまな成分が配合されています。食べ物アレルギーがあれば、そのアレルギー成分由来の成分が配合された薬を服用をした際、思わぬ症状が起こる場合があるので、ご注意ください。たとえば、塩化リゾチーム(リゾチーム塩酸塩)と一般的に言われている成分は、総合の風邪薬などに多く使われている成分ですが、実は鶏卵由来です。よって、鶏卵アレルギーを起こしたことがある人は、服用をしてはいけないことになっています。
また、健康食品などによく含まれている「キトサン」という成分は、甲殻類から作られることが多く、カニなどの甲殻類アレルギーの人は使用する際に十分な注意が必要でしょう。
症状を悪化させる成分が入ってないかを確認
これも大切なポイントです。たとえば患者数が非常に多い病気の一つとして挙げられる「高血圧」。健康管理の基本としては「塩分の取り過ぎに注意」などと言われて、頑張って塩分を控えている人も多いと思います。しかし、日頃飲んでいる薬の中に大量の塩(ナトリウム)が含まれていたらどうでしょう?炭酸水素ナトリウム(重曹)は、制酸剤などとして胃腸薬に多く含まれております。この重曹を長く飲み続けると、血圧を上げてしまうおそれがあります。血圧を下げるためや、健康のために一生懸命に食事での塩分摂取を控えても、薬の種類によっては、塩分換算で一日の塩分摂取目安の10%以上を占めてしまうものもあるのです。
また、気軽に使用している軟膏などの塗り薬。これも成分によっては水虫やたむしなどに使用すると悪化させるものがありますので、本当に自分の症状に使用して良いものかどうかをきちんと確認をして使用しないといけないでしょう。
正しい使用法を確認
医薬品によっては正しい方法で使用しなければ、効果が半減してしまうものも少なくありません。例えば、魚の目などで使用する角質剥離剤(いわゆる魚の目やタコ、いぼ用の絆創膏)ですが、その多くは2~5日間ほど継続して貼り続けることが基本です。しかし、説明書をきちんと読まずに毎日張りかえると効果は弱まります。正しい使用法をきちんと自分で確認することが大切です。
自分自身の健康状態の把握とセルフメディケーション
ネットでの薬の販売に際して最も大切のは、自分の健康状態をきちんと把握した上で薬を購入することです。「セルフメディケーション(健康の自己管理)」といわれる健康の自己管理が重要視されてくるでしょう。「セルフメディケーション」は、単に自己判断でお薬を購入したり、健康法を実践したりすることではなく、必要に応じて医療機関を受診したり、薬局・薬店に相談するための判断力を身につけることだと思います。
ネットでの薬の販売解禁を機に、この「セルフメディケーション」が本格的にこの国に根付くことができれば、国民の健康寿命がもっと伸びるではないでしょうか?ネットでも店頭購入でも、利便性だけでなく、安全性を重視した薬の購入を心がけてください。
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