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「グチコレ」で本心吐露、心理的効果

愚痴は心の整理に役立ち「メンテナンスの役割」を果たす

「グチコレ」で本心吐露、心理的効果

街頭で街行く人たちの愚痴(ぐち)を聞く、「グチコレ」(グチコレクション)という取り組みがあります。先日、仏教を学ぶ京都府内の学生らが、街行く人たちから聞き取った愚痴の特徴をまとめました。JR京都駅前などで約1年半にわたって1021人から聞いた2585件の様々な愚痴を分析。男性は「仕事」、女性は「恋愛」「友人」について悩むケースが多いことが浮き彫りになったそうです。グチコレはカウンセリング技法の「傾聴」をベースに、ひたすら人々の愚痴を聞くことのようですが、そもそもこの取り組みにはどのような心理的効果があるのでしょうか?

まず、愚痴を吐き出すことでストレスの発散になり、心の浄化作用やリフレッシュ効果も望めます。愚痴は人を不快にさせるようなイメージがありますが、実は心の整理に非常に役立つもので、人の心理機能として自然に備わった、いわば「メンテナンスの役割」を果たしているのです。愚痴も言わずに溜め込んでおくのはストレスにしかなりません

さらには愚痴を言うことで、自分では意識していなかったことなど、今まで気づかなかった問題が浮き彫りになってきます。つまり「今の自分」が抱える問題が明らかになるのです。愚痴も言わずに心の内に抱えているだけでは、問題は見えて来ません。

愚痴を掘り下げていくことで、問題点が見つかり自己成長に

一口に「愚痴」といっても段階があります。まずは、普段自分が感じている不平不満から始まり、そこから内容を掘り下げていくことで、徐々に問題になっている深い部分が明らかになっていきます。

しかし、だからといって、ただグチグチ言っているだけではメンテナンス効果しかありません。いつも愚痴ばかり言っている人は「聞いてくれる人がいないから」「しっかり受け止めてくれる人がいないから」常にストレスが絶えず、いつまでもグチグチ言っているわけです。「ただ愚痴を言っている」だけから、本気で問題解決につなげたいのなら、しっかりと話を「聴いて」くれる相手が必要です。

問題を深く掘り下げていくと、最初の不平不満の段階から解決につながるようなステップへ進めていくことができます。そして、これが自己成長へとつながるわけです。

愚痴を「問題解決の手がかり」としてしっかりと聴く

家庭や職場などでも、愚痴を「単なる愚痴」として捉えるのではなく、「問題解決の手がかり」として聴く取り組みを行うことをオススメします。「愚痴は不快なもの」との認識が一般的なので、まずは愚痴の持つ真の効用と、愚痴を言う人や聞く人への配慮と理解、そして愚痴を言い合えるような環境を整えることが、現代が抱えるストレス社会には必要であると考えます。

愚痴を言う人が不幸なのではなく、愚痴も言えない環境が不幸なのだという認識のもと、愚痴を言う方も聞く方も、互いに真摯な態度で向き合うことが重要です。

宮本章太郎

心理カウンセリングのプロ

心理カウンセラー

宮本章太郎さん(京都カウンセリングラウンジ)

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