汝の哀しき性(さが)に泣け
「いまだけ、ここだけ、あなただけ」
このフレーズを聞いたことがありますか?
もしかしたらご存じの方もいらっしゃることでしょうね。そうです、これは何を隠そう、「スーパーマーケットの特売の宣伝の決まり文句」なのです。今なぜこれをわざわざ持ち出したかというと、最近のコロナ禍の中でこの「いまだけ、ここだけ、あなただけ」が大切な関わりのヒントではないかと思うからです。
コロナ禍の「決まり文句」は「密集・密接・密閉」の三密回避ですが、これを厳密に守った生活は他人との物理的距離も心理的距離を開ける結果に合ってしまいます。これは大人にとってはコロナ感染のリスクを避ける目的のために仕方がないこと、と理屈で受け入れざるを得ませんが、子供たちにとっては長い目で見て人との触れ合いを希薄にする悪影響が考えられます。
それを少しでも回避しようというのが、この「いまだけ、ここだけ、あなただけ」のフレーズ。
学校でも日常生活でもマスクをして会話も控えるとなると、他人との関係が希薄になります。それは集団生活においては残念ながら仕方がないとしても、せめて家庭・家族の中でだけは「密な関りと密な距離、そして密な時間の共有」を楽しめればどんなに子供たちは満足するでしょうか。
コロナ禍の不安な日々の中で、再び世の中に対する無条件の安心と安全感を取り戻すために、ぜひ「いまだけ、ここだけ、あなただけ」を子供たちに提供しましょう。
と言っても、何、難しいことはありません。
時々、子供たちの好きそうなお菓子や食べ物を隠しながら、小声で「〇〇ちゃん、ちょっとこっちへおいで、今たまたまこのお菓子が一つだけあまったのよ。(兄弟姉妹がいる場合は)ほかの兄弟に秘密で、あなたにあげるか、他の兄弟には内緒よ。」と言って部屋の隅でこそっとあげましょう。
「今だけよ(いつもあるわけじゃないけど、たまたま余ったお菓子だからね!)、ここだけよ(ちょっとこっちへおいで、他の人に見つからないようにね!)、あなただけ(ほかの兄弟やお父さんには内緒よ!)」
と特売の宣伝文句よろしく、あなただけに「特別扱い」をしてあげるのです。
いかがですか?この手を使えば、一気にあなたと子供さんの距離は縮まることでしょう。子供にとってみれば「自分は特別扱いされている!自分は愛されている!」という気持ちになること間違いなし!
え!?
でもうちには子供がほかにもいるので、その子だけ特別扱いはできないって!?
そりゃそうです、子供たちの中で一人だけをえこひいきしてはいけません。
じゃあぁ、どうするんだ、って?
それは簡単、子供が3人いれば、3人別々にこそっと内緒で「平等に特別扱い」してあげましょう!
ここを上手くこなす役者であることが親御さんには求められていますよ! がんばって!!