こころの問題<5> 大切にさせたい「自分だけの世界」
「世の中はしつこい、毒々しい、こせこせした、その上図々しい、いやなやつで埋まっている。
元来何しに世の中へ面(つら)をさらしているんだか、解(げ)しかねる奴さえいる。
しかしそんな面(つら)に限って大きいものだ。」
夏目漱石先生の「草枕」からの一節です。
何があったのか知りませんが、よっぽど腹に据えかねていたんでしょうね。
「則天去私」なんて立派なこともおっしゃった口で、こんな言葉が聞ける人間臭さが漱石先生のファンにはたまりません。
確かに世の中にはいわゆる「迷惑な人」「困った人」と言うのは必ず存在します。そしてその被害者となる人も。
最近は「(相手は)誰でもよかった」なんてはた迷惑な加害者もいますが、大抵の加害者はやはりターゲットとして人を選んでいるようです。そのターゲットにされた人はたまったものではありませんが、中には「何度も」「いろいろな迷惑な人から」ターゲットにされやすいタイプの人もいらっしゃるのではありせんか?
時として「世の中はジャングル!?」
世の中はジャングル、どこに猛獣が隠れているかわかりません。必ずしもかわいいリスや小鳥だけではないのです。脅かすわけではないのですが、確かに思わぬところからクマが顔を出すとも限りません。獰猛なクマに襲われたらひとたまりもありません。こういう時どういう対応方法があるでしょうか。
ネットで調べてみると次のような内容がいくつかのサイトに載せられていました。
<うっかり出会ってしまった時は、クマをこわがらせないように、クマに優しいことばをかけながら、少しずつあとずさりして離れてやってください。怒ったり棒や石を投げたりすると、クマは人間にやられると思って、走り寄ってきて、人間をはたいて逃げることがあります>(日本熊森教会編 「クマに出会ったらどうすればよいのか」)
<とにかく、突発的に走って逃げるとか、大声でわめくような行動は、ただでさえびっくりしているクマを更に怯えさせ、ストレスのあまり防衛的な攻撃に移らせる可能性があります。落ち着いて。静かに。走らない! ゆっくり両腕をあげて振り、穏やかに話しかける。すぐそばに障害物(立木など)があれば、可能ならクマとの間にそれを置く位置関係に静かに移動(注:万一の突進に備えて)。>
(知床財団 「もしも・・・出会ってしまったら!? ~ヒグマ対処法」)
これらのクマへの対処法は実は「攻撃的で迷惑な人間」にも使える対処法なのです。
私は以前から、これらのコツを3つの原則にまとめていろいろなところでお話してきました。
その原則が「逃げない・こびない・戦わない」の3原則です。
これからこのコラムでは「困った人に出会った時の3つの原則」について紹介しますね。