罪を犯した人に寄り添う女性保護司の物語 漫画『前科者』
たまたま本屋で見つけた「答えのない道徳の問題 どう解く?」が面白い!
こどもが純粋に発する問いかけは、大人となった私たちをハッとさせたり、タジタジとさせたり、う~~んとうならせたり、ニヤッとたじろがせたり。
それらの中には哲学と言うか、人生の確心をついた問いかけも少なからず含まれています。それらを集めて、「さてあなたはこの問いにどう答える?」と言われているような本です。
ただしこの問いかけはもちろん「正しい答え」を求めているわけではないでしょう。
膝に乗せた孫から「じいじも、いっしょにかんがえてね!」と言われているようなあったかい問いかけです。
たとえば「べんきょう」に関しては
「『人の嫌がることはしちゃダメ!』って お母さんは言う。」
だのに「どうしてお母さんは、ボクの嫌いな勉強をおしつけてくるんだろう?」・・・という具合。
う~~む、これは困った。お母さん、あなたなら、なんて答えますか?
これらの問いかけに、さまざまな分野の第一人者が自分なりの答えをしてくれます。これがまた興味深い。
たとえば、「べんきょう」の問いかけには、なんと先日将棋の公式戦通算1434勝の大記録を成し遂げた羽生善治九段が答えてくれます。これがまた素晴らしい。長くなりますが引用しますね。
「この世界にはたくさんのものがあります。目に見えるもの、目に見えないもの、手にふれられるもの、ふれられないもの。そのひとつひとつを知ってゆくのが勉強です。外で遊ぶのも勉強です。お母さんは世界の沢山のことを知ってほしいのです。それが大きくなって大人になった時に生きていく上でとても役立つことを知っているのです。
たくさん勉強して、たくさん遊んでできるだけたくさんの事を知ってください。そして大人になったときにいらないものは自分の判断ですべて捨てて、残ったものがあなたが勉強したものです」
なるほど、さすが上手いこと言いますね~。確かにその通りだ。
とはいえこれはやはり大人が読んで納得する答え。実はそれ以外に実際に24人の小学生の生の答えも載せられています。たとえばこんな答え。
「お母さんがすすめるには理由があるはず。今度、理由を聞いてみよう」
お母さん、羽生九段の答えを丸暗記しても駄目ですよ、やっぱ自分の頭で考えなきゃね!
え!?「じゃあ、お父さんのお前はなんて答えるんだ?」って?
・・・・・う~~む、これは…困った・・・・。
「その答えを探すために勉強するんだ」なんてのや「自分のあたまで考えてみよう」、「うるさいね、そんなこと考えてどうするんだ?」、「それがわかればこんな大人になっていない」なんてのはNG。
羽生さんをはじめたくさんのゲスト回答者(池上彰さん、ミッツ・マングローブさん、谷川俊太郎さん、卓球の水谷 隼さんその他の大人のみなさん、子供だましな回答ではなく真剣に答えられていますよ。
さてさて、あなたならこんな問題、どう解く?