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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

近づいて傷つけられるぐらいなら・・・・・「回避性パーソナリティ障害」

このテーマでは、いくつかのこころの問題について簡単な説明をしてます。もしかしたら自分が当てはまると思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、くれぐれも自己診断せずに、気になる場合は必ず信頼できる専門の医師に受診してください。私たちカウンセラーは診断はできませんが、メンタルなケアが必要な場合はお力になれるかもしれません。ご相談下さい。

さて今日取り上げるのは「回避性パーソナリティ障害」。回避性というのは物事に対して極端に自信がなく、引っ込み思案になっていろいろな社会的な交流場面で過敏に抑制してしまうような状態のことを指します。ネットの名言で「一人でいれば孤独感、二人になれば劣等感、三人いれば疎外感」というフレーズがありましたが、こういう状況は本当に苦しいですね。

さて回避性パーソナリティ障害の具体的に診断基準を示すと
1)批判・非難・拒絶に対する恐怖のために、重要な対人接触のある職業的活動を避ける。
2)好かれている、と確信できなければ人と関係を持ちたがらない。
3)恥をかかされる、または嘲笑されることを恐れるために、親密な観駅の中でも遠慮を示す。
4)社会的な状況では、批判される、または拒絶されることに心がとらわれている。
5)不全感のために、新しい人間関係状況で抑制が起きる。
6)自分は社会的に不適切である、人間として長所がない、または他人より劣っていると思っている。
7)恥ずかしいことになるかもしれないという理由で、個人的な危険を冒すこと、または何か新しい活動に取り掛かることに異常なほど引っ込み思案である。
などのうち4つの項目に当てはまることが求められています。

しかしこれを読んでみると、程度の差はあるものの、われわれ日本人の「恥の文化」ではそれほど特別な事では内容な気がしますね。やはりこういう診断基準は西欧の人たちの「正常感」を基盤に判断されているのでしょう。とはいえ、やはりこういう状況に「異常なほど」とらわれてしまうと、確かに日常生活で支障が出てくるので、治療の対象となるのかもしれません。

最近の若者を見ていると、一方で大変自己中心的で首位の空気が読めないタイプの人がいるかと思えば、逆には人の目をとても気にして、人から自分はどう思われているか、ということばかり気になってしかたがないという若者も多いようです。SNSなどで、送られてきたメッセージにどう返信すればよいか、思い悩んでいる人もたくさんいますよね。いじめなどの日常を気にして、他人は他人、自分は自分、と割りきることができない社会状況になってきたのでしょうか。

SNSなどの発展によって、コミュニケーションが頻繁にできるようになると、「わかりあえるようになる」のではなく、かえって「本心がわからなくなる」という事態が進んできています。ただ回数や頻度が増えればよいというものではないのです。やはりコミュニケーションの「質」や「深さ」が求めらているのでしょう。人間関係をいうものは本当に難しいものですね。


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