ちょっといい言葉＜139＞　「人生は山登りに似ている・・・・」

「人生は山登りに似ている。山へ登ったかぎりは　降りなければならない。山へ登りっぱなしのことを遭難したというのだ。」
心理学者ユングの言葉。

実に味わい深い名言だと思うのですが、この言葉は単に意味を理解すること言うことにとどまらず、実際に人生の下り坂を降り始めるという「時」にならないければ実感できないかもしれません。

この言葉の深い意味を実感として感じ取られたのが、昔は「海援隊」というフォークグループで一世を風靡したリーダーの武田鉄矢さんでした。武田さんは「１０１回目のプロポーズ（９１年）」（懐かしい！）で活躍していた頃、仕事が多忙で”うつ状態”になったそうです。

その後それが20年近く続き、さらに大病をして「老いへの恐怖」を感じた時にこのユングの言葉に出会ったそうです。その時の様子を武田さんが語っていらっしゃいます。

武田さんはこう語られています。
<<<< C・G・ユングっていう心理学者の本だったんだけど、この人のセリフに書いた言葉にものすごく打たれて・・・

“人生は山登りに似ている。山へ登ったかぎりは　降りなければなりません。山へ登ったということは登って降りたということです。山へ登りっぱなしのことを遭難したといいます”

若い時は日本中の人におれの名前をしってもらうために必死になって努力したけれど、今度は、やがて日本中の人から知られなくなるっていう、そういう努力をしないとダメですよっていう、そういう自分が出てきたんだな、と。>>>>

武田さんは一度てっぺんを極めた山からふもとへ無事降りてこられたようですね。よかったなぁ。

確かに人生の前半の課題は自分自身の世界を形作ることが目標でしょうが、人生の後半はそういう自己意識中心の生き方をそぎ落としていくことに向き合うことが課題なのかもしれません。

私も最近そういうことを感じつつあります。下り坂に差し掛かってきたのかもしれません。しかし一方で、それでも現世の名誉や富にひかれてしまう「自分の生臭さ」も捨てがたいのですが・・・。

皆さんはいかが？？



◇◆◇　どこまでつづくぬかるみぞ
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