こころの問題<4> 「健全な自己愛」と「ほどよい自信」
さて前回は思春期から青年期に向かって、社会の中で自分はどんな役割を果たすべきか、という「社会的アイデンティティ」について述べました。これは社会の一員として自分の居場所や立場を確保するためにはどうしても必要な作業です。
しかしその前にもう一つのアイデンティティについて私の考えを述べてみたいと思います。それは先に述べた「社会的アイデンティティ」を自覚的意識的な「自我同一性」であるのに対し、そのもっと以前の根源的な「自分と言うもののまとまり感覚」とも言える感覚です。これは色々な呼び方がありますが、前者が意識的・自覚的・社会的なものの基盤にある、無意識的・身体的・根源的な感覚です。
簡単に言えば「自分が確かにここにいる」という感覚。そんなもの当たり前じゃないか、といわれる方もあるかもしれません。そうなんです。ほとんどの人々は疑うことなく「自分と言うもの」を安心して受け入れています。そして世の中もそう言う自分を受け入れてくれているという安全感を感じています。
ところがそういう根源的な「自分」というものに、どうしても不安を覚えてしまう人達もいます。「自分はこれ良いのだろうか?」「世の中は自分を受け入れてくれているのだろうか?」という不安。もしかして周りの人々は私を受け入れてくれずに、拒否されるのではないだろうか。
こう考えだすと、いてもたってもいられません。本当?本当にあなたは私を受け入れてくれるの?信じて良いの?そして私は人に信じてもらう価値のある存在なの?いつも人の心の裏側を意識しながら、本当にこの人は信じられるのだろうか?私は自分に自信を持って良いのだろうか?
小さい頃から十分な愛情を受けることがかなわずに、虐待されたり存在を無視されたりする体験が続くと、自分自身や人に対する安全・安心感が育たないのです。「私」と言うものには、こういった個人的な「私」感覚と社会的な文脈での「私」があります。そして言うまでもなく、「個人的・根源的な私」の基盤の上に「社会的な私」が成り立つのですから、思春期・青年期の成長のために幼い頃の体験がいかに大切か、思い知らされます。
もしあなたが「本当の自分」に迷いを感じたり、人との関係に安心感を持てずに苦しんでいらっしゃるのなら、今からでも遅くはありません。どうぞご連絡ください。
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