こころの問題<15> 自立の裏には必ず孤独がある
さて、前回までの話の中で、「私たち仲良しグループ、仲間よね」的なチャムシップという絆から、次第に一人一人の違い、個性によってチャムシップよりももう少し深い関係性:ピア・シップへと人間関係のあり方が変化・成長していくことをお話ししました。
一人の人間としての個性と言うものがはっきりとし始めるのが青年期への入り口だとしたら、やはり「自分はどういう人間か:アイデンティティ」というものが問題になってきます。「アイデンティティ」とは自我同一性とか自己同一性とか日本語の訳があたえられています。少しややこしいのですが、一般に言われるアイデンティティと言うのは「社会的自我同一性」といわれるものだと私は思っています。つまり「自分は男だ」「自分は学生だ「」自分は会社員だ」「自分は警察官だ」と言うような社会の中での自分のあり方のことです。
「自我」というのは「意識的な」と言う意味でもあるので、自分で自覚している範囲でのあり方ですね。子ども時代から思春期、さらには青年期へと成長して中で、少しづつ自分は社会の中の一員なんだ、では具体的にはどういう社会的なあり方を目指そうか、という考えがまとまってきます。そしてそれが例えば考え方や興味関心や価値観などに反映されてきます。その点で考え方や興味関心、価値観が共通する仲間を見つけて、ただ集まってワイワイ騒ぐのとは違う、もうちょっと深い人間関係へと移行していくわけです。
しかし私はこのアイデンティティの基礎は青年期になるもっと前から形作られているのではないか、と思っています。それが以前お話しした小学校3~4年生ぐらいの時期ではないでしょうか。
(それに関する記事はこちら「こころの問題<5> 大切にさせたい「自分だけの世界」)
小学校時代に自分だけの世界を十分に満喫できているかどうかは、その後の人生に大きく影響するのではないか、というのが私の考えです。その年代に塾や習い事ばかりで余裕がない生活をさせるのはちょっと残念だなぁ、と思うのです。
「人生は楽しいものだ。自分だけの世界を持つことはとても幸せなことだ」と思えるような子ども時代を送ってもらいたいですね。それがあるからこそ、つらいことや苦しいことにも耐えられるし、人生をどう生きるか?個性とは何か?という哲学的な問題にも向き合えるのではないか、と思うからです。
いかがでしょうか?
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