こころの問題<5> 大切にさせたい「自分だけの世界」
さて前回までは、少し回り道ながら、親の側から見る父性・母性の引力について説明してきました。
思春期を迎えた子どもたちの自立していく様子を、地球を飛び立つロケットを例にしてお話するならば、ロケットは、宇宙の無重力状態の自由な状態にたどり着くまでに、どうしても地球の引力圏を突破せざるを得ません。その例で言えば、地球から飛び立つことを妨げる「引力」は、「両親に対する依存心」として理解すればわかりやすいのではないかと思います。
自立を目指すということは、言うまでもなく、親から独立して自分の考え方や価値観を持てるようになる、ということです。ですからそれまで幼少期から両親によって示され、自分自身それに依存してきた価値観や考え方を一度壊さずにはいられません。しかし何とかその大気圏内を突破して宇宙へ飛び出したとしても、そこに広がる世界はは無重力状態です。どちらが上か下か、今まであったような方向性や秩序がなくなるわけですから、自由と言えば自由ですが、非常に不安ですし孤独になります。
思春期の子どもたちは、自分の言いたいことを言うようになり、自分を一人前の大人として認めるように言い始めますが
実は内心とっても不安で孤独なんです。そしてその孤独いや不安を慰め合うために、同年代の仲間を必要とするのです。お互いがそれぞれの傷をなめ合うような形で、親との闘いを慰めない、励まし合って乗り越えていこうとするわけです。
ですから学校で暮らす行事や部活動、さまざまな遊び友達などとつるんでふざけあうことは、彼らの精神安定上とても大切なことなのです。特に女子にとっては同年代の仲間といられることは自分が一人ではない、ということを確認できる大切な体験です。何だかどうでも良いようなことでケラケラ笑いあったり、オシャレやアイドルに夢中になっておしゃべりをできることが大切なんですね。
自立と自由の背後には必ず不安と孤独がある、それを大人は忘れないようにしておきたいものです。
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