こころの問題<2> 3歳児反抗が遅れて出てきたA子ちゃん
さて、これまで「父なる天」「母なる大地」と言うような抽象的で、象徴的な表現を使ってきましたが、これは一般的な言葉に直せば「父性」「母性」ということになるでしょう。「父性」は現実の社会を高みから俯瞰して、「生きていく道筋や方向性」を示してくれます。そして「母性」は逆に人の足元を支え、「大丈夫だ」という安心感と、もし失敗しても「きっと再生できる」、という希望を与えてくれます。
加えて気をつけなければいけないのは、「父性」=父親、「母性」=母親、と言うものではないところ。父親のであれ、母親であれ、親の心の中には「父性」「母性」は存在します。ただ、一般的に父親の中に「父性」が、母親の中に「母性」が芽生えやすいとは言えるかもしれませんが、別に母性的な父親、父性的な母親がいても何ら問題はありません。
もし気をつけるとしたら、出来れば二つの要素がバランスよくある方が望ましいかもしれません。つまり、どちらかが父性的なタイプであれば、もう一人の親は母性的である、と言うような。両方共が父性的で厳しかったり、母性的で受容的でありすぎると、子どもの方が偏った影響を受けてしまいます。
さらに言うのなら、一人の親の中にも「父性」と「母性」のバランスが取れていれば良いかもしれませんね。時には厳しく、時にはやさしく、というように。
この「バランス」というのはなかなか大切で、例えば父性が適切に機能していれば「頼れる父親」の状態ですが、あまりに父性に偏りすぎると、以前も書いた「父性の否定的な面」が出てきてしまいます。父親の言うことだけが絶対で、それに反発できない従順ではあるが、自分を持てない子どもになってしまいがちです。さらに母性に偏りすぎる対応は、自分で自分をコントロールできない甘えとわがままな暴君を育ててしまうかもしれません。
結局は、「あまり立派すぎる親」ではなく、「ほどよい親」であることが大切なのかもしれませんね。
◇◆◇ 子どものこころ・親の思い ◇◆◇
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