こころの問題<4> 「健全な自己愛」と「ほどよい自信」
「父なる天」「母なる大地」この二つの軸によって、人間は自分の世界を開き作り上げることができます。
混沌の幼児期を抜け、天に光輝く太陽によって無意識の暗闇に清明なる意識がもたらされます。
更に、その光に包まれて、自然世界では母なる大地に育まれた植物等の生命が芽吹き、改めて輝く太陽の方向へ成長を遂げていくのです。
これは人間の成長でも同じことです。
自然の営み同様、人間は思春期を迎えると、父なる神の示してくれる現実原則に従いながら社会性を身に着け、母なる大地の「愛情という養分」と「安心というバックボーン」に励まされて、さらなる自信と行動力を養っていきます。
しかし自然と言うものは決して豊饒性だけをその性質としているわけではありません。例えばさまざまな自然災害によって多くの命が飲み込まれ、失われてもいます。当然のことながら、自然は「生命」と同時に「死」をも繰り返し受け入るのです。
つまり「父なる天」「母なる大地」は肯定的な面もあれば否定的な面も持ち合わせているのです。
では人間の成長における「父なる天」「母なる大地」の否定的な面とは何でしょうか。
それは一口で言うと「自立を阻む」力とでもいうものです。「父なる神」の教えに従順に従い、「母なる大地」の安心感にまどろみ依存させる力のことです。
「父なる天」の教えに盲従する状況は、例えば宗教などでカリスマ性のあるグルの教えにマインドコントロールされている状況を思い浮べればわかりやすいかもしれません。「こうあれ!」「こうあらねばならぬ!」という教えに背くこともできず、ただただ「自分」と言うものをもたずに、教えに従っている状況。「父」の価値観や考え方をそのまま自分のものであるかのように思い込んでいるのです。
「母なる大地」に埋没した状況は、すべてを依存して自分の意志など持つ必要もないほど甘えているような状況です。例えば幼い赤子がすべての生を母親に依存しまどろみの中で浮遊しているように。
これらの状況は、結局子どもたちに「自分というもの」をもつことを阻むマイナスのエネルギーなのです。
思春期を迎えた子どもたちは、「父なる天」「母なる大地」の肯定的な面にささえられながら、一方ではその否定的な「退行促進的」な力に負けないように、必死で戦っているわけです。
◇◆◇ 思春期の子どもの心を理解するために・・
こころの問題<12> 「父なる天(神)」
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こころの問題<11> 闘いへのいざない、それが「思春期」
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こころの問題<10> メタ認知と自立とロケットの関係
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こころの問題<8> 思春期へ向かう時の喪失感③ 「自分に対する自信が揺らぐ時」
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こころの問題<6> 思春期へ向かう時の「喪失感」①:映画「インサイド・ヘッド」から
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こころの問題<5> 大切にさせたい「自分だけの世界」
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