こころの問題<15> 自立の裏には必ず孤独がある
さて、前回は子どもに対して、方向性や価値観を示す存在としての「父なる天(神)」について説明しました。今回はその対極にある「母なる大地」について。
「母なる大地」というのは良く使われる言葉ですね。植物を始め、動物や鉱物までがその懐に抱かれて、新たな生を産み出すとともに逃れられない死までも受け入れていく母なる自然。
「死と再生」と言う言葉で示されるように、命の循環をつかさどる自然そのものと言っても良いかもしれません。
「父なる天(神)」が「実態はないけれど、方向性を示す」存在であったのに対して、「母なる大地」は方向性を問題とせず、混沌とした状況全てを受け入れてくれます。
時々子どもが問題を起こしても「たとえそうであっても私は子どもを信じたい」と受け入れていく母親の言葉を見聞きしますが、これなども「善悪の方向性に関係なく、自分の子どもの立ち直りを信じる」母性的な発言だと思われます。
(なお「母性」「父性」というのは、現実の「母親」「父親」とイコールではありません。「父性」の強い母親や「母性」の強い父親もいらっしゃいます、どちらが良いと言うものでもないでしょう)
この母なる大地の与えてくれる安心感は、私たちが生きていく上ですべての基盤となります。例えば突然大きな地震に見舞われて大地が揺れ動く体験をされた方なら、私たちは普段の「日常の中で「大地は動かない」と言う安心感に如何に守られてきたか、ということを実感されることでしょう。
しかし「母なる大地」の影響はポジティヴなものばかりではありません。
自立を目指す子どもたちにとっては立ち向かうべき困難としても立ちはだかるのです。
それについては、次回に。
◇◆◇ これまでの「こころの問題」シリーズ
こころの問題<12> 「父なる天(神)」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/53377/
こころの問題<11> 闘いへのいざない、それが「思春期」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/53168/
こころの問題<10> メタ認知と自立とロケットの関係
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/53164/
こころの問題<9> 自分を見つめる目ーメタ認知ー
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/53090/
こころの問題<8> 思春期へ向かう時の喪失感③ 「自分に対する自信が揺らぐ時」
http://mbp-japan.com/hyogo/officekishii/column/52934/
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