こころの問題<15> 自立の裏には必ず孤独がある
今公開中の映画「インサイド・ヘッド」を見てきました。
11歳の女の子ライリーの頭の中では、5人の「感情」が住み着いています。
その5人とは「喜び」「悲しみ」「びびり」「むかむか」「怒り」。
この5人(?)がライリーの気持ちの流れを操作して、それがゆくゆくは彼女の性格を形作るのです。
現在公開中ですからネタバレはできないのでストーリー全部を紹介できませんが、
なかなか興味深いお話しでした。
ライリーは11歳。つまり小学校の4~5年ぐらい。これまでコラムで触れてきた年代は、小学校で言えば低学年あたりまででしたから、ちょうどライリーはそこから抜けだして思春期の入り口に差し掛かった年代です。
興味深いのは、その年代までは「喜び」が大きな役目を果たしてきたのですが、この年代からは実は「悲しみ」が大きな役目を果たすようになっていく、というテーマが描かれていたことでした。
ではなぜ思春期に差し掛かると「悲しみ」の役目が前面に出てくるのでしょうか?
それには「発達の節目」と言う問題があるからなのです。
前回のコラムこころの問題<5> 大切にさせたい「自分だけの世界」 でも触れましたが、小学校低学年当たりの子どもたちは、いわば「バラ色の世界」に住んでいます。
何を見ても新鮮で興味深く、何をしても楽しくて仕方がない。
両親は「世界で一番素敵なパパ・ママ」だし、もちろん自分自身もなんでもできそうな万能感に満ちています。
しかし添うようなバラ色の世界はいつまでも続くものではありません。
必ず、「現実」というものに出会わざるを得ないのです。
その時を迎えた子どもの心の中はどういう状態になっているのでしょうか?
簡単にいえば「楽園」を失う「喪失感」みたいなもの・・・・
「喪失感」やそれに伴う「哀しみ」が彼らの年代を理解するキーワードなのです。
<次回へ続く>
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