こころの問題<4> 「健全な自己愛」と「ほどよい自信」
さて、前回のコラムで小学校低学に良く見られる問題として、
乳幼児期の課題の積み残しがある、と書きました。
今回は乳幼児の発達の課題も含めて説明します。
乳幼児の発達の課題はたくさんありますが、中でもやはり「基本的な信頼感」を育てる、という課題が中心でしょう。
「基本的信頼感」とは
「他人は自分が困った時には何とかしてくれる存在だ」という他人に対する信頼感を軸にして
「世の中は何とか成る」「自分は世の中から守られている」という感覚のことです。
赤ちゃんは、喉が渇いたり、空腹、不快、眠い時のぐずりをあやしてもらったというような体験を通して
先ほど挙げた「基本的信頼感」を身に付けます。
この感覚をもとにして3歳児反抗などの感情の爆発体験を乗り越え、
自分の不安や怒りの感情をコントロールする力を身に着けるのですが、
それがしっかりと育っていない時、大きくなってもなかなか怒りや不安をコントロールできなくなります。
A子ちゃんは小学2年生ですが、ある時急に学校に行きたくない、と言い出し、
家の中でもまるで駄々っ子のように何かにつけて反抗をするようになりました。
もっともその反抗は、全く理屈の裏付けのないものでお母さんがいくら説得しても「イヤダ!イヤダ!」の繰り返し。
ほとほと困ったお母さんは相談に来られましたが、小さい頃の様子をお聞きすると
どうやら3歳児反抗がなく、大変大人しかったとのこと。
この場合は、親子の愛着は十分見られたので、
「たぶん3歳児反抗が今頃出てきたのでしょう」とお話しして
少し距離を置いて見守りながら、時にはギュッと抱きしめてあげて下さいね、とお伝えしました。
しばらくして再びお会いした時
「先生の言われた通り、まるで3歳児反抗だったので、今頃来たか、と見守っていたら、
そのうち収まってきました」と報告されました。
こういう具合に幼児期に身につけておくべき課題がしばらく遅れて出てくることもあります。
≪次回へ続く≫
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