ドキュメンタリー映画「徘徊」:認知症の母と娘の日々を描いた作品
この映画は、ホント、元気をもらえる映画でした。
知的障害者4人のメンバーで結成されたフィンランドのパンクバンド「ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァト」を追ったドキュメンタリーです。
ペルッティ・クリカン・ニミパイヴァトっていう舌を噛みそうなバンド名ですが、本当に活躍しているのです。
知的障害者の活動だから注目を集めるわけではなく、
注目は彼らのアナーキーで純粋な生き方。
その自分らしい生き方の表現の一つとして「パンクロック」があるわけです。
例えばその歌詞。
「精神科施設のメシはまるで豚のエサ」
「いつかグループホームを爆破してやる」
「少しばかりの敬意と平等が欲しい」
「権力者はペテン師だ 俺たちを閉じ込める」など
施設や社会への不満を、直截に強烈な歌詞としてぶつけてきます。
私は以前障碍者方々と関わってきたのですが、その中でひときわ印象に残っている方の一人がいます。
その方はSさん。
車いすと知的障害の重複障害者でしたが
自分の住む地域の駅に、エレベーターがないことに疑問を持ち
会社に抗議し、地域の方に働きかけ、社会問題として認識してもらい
見事、駅にエレベーターの設置を実現させました。
ある意味「戦う障害者」だったのですが、
そのぐらいのエネルギーがなければ、常に受け身で福祉にお世話になる存在としてしか、
地域の人にも、また自分自身をも認識できなくなるのではないか、と思いました。
自分のできることで、自分自身の存在をアピールし、
「少しばかりの敬意と平等」を手いれることは当然の権利だと思いますね。
それはもちろん、身体や精神的な障害に閉じ込められた人々だけでなく
自分自身の殻や世間と言う常識や
固定観念に閉じ込められ自分自身の存在を殺している、
私たちをも含むすべての人にとっての権利だと思います。
そのことを思い出させてくれた彼らの、そしてこの映画に感謝しました。
さぁ、俺も頑張るぞ!
公式サイトはこちらから
http://punksyndrome.net/intro_story.html