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岸井謙児

カウンセリング歴35年、経験と信頼のカウンセリングのプロ

岸井謙児(きしいけんじ) / 臨床心理士

カウンセリング・オフィス岸井

コラム

こんなことがまかり通っていいのか!? 声帯手術で声を失った市長への辞職勧告が!!

2014年12月20日

テーマ:ちょっと気になるあれやこれ

コラムカテゴリ:メンタル・カウンセリング

こんなニュースが!
咽頭腫瘍の手術で声帯を失い、機械を喉元に当てて電子音声で会話している酒田市の本間正巳市長に関し、
市議会第3会派「市民の会」は「声が聞き取りづらい」との理由で、
本間市長の辞職勧告決議案を検討するよう求めたというのです。

なんという、話でしょう。
こんなことがまかり通ってよいの?

「市民の会」などという草の根派のような印象を与える会派が主張することとは思えません。
生態を失っても、ちゃんと電子音で会話できているわけでしょうし(私は実際の音声を聞いていませんが)、
もし会話に困難が生じるとしても、今の時代、他の方法を選んでコミュニケーションすることは十分可能でしょう。

時代錯誤の主張ですね。

現代の「障害」に対する理解は
、以前のように
(1)機能障害(身体に障害がある)
(2)能力障害(障害を持つことでできないことなどがあること)
(3)社会的不利(できないことがあるから、社会の中で様々な不利がある)
と言うような、マイナスのベクトルの考え方ではなく、

2002年に発表されたWHOの国際生活機能分類では
(1)心身機能・構造(心身の機能面・構造面での特性への理解)
(2)活動(心身の機能・構造的特性からどのような活動の困難が引き起こされているか)
(3)参加(活動についての困難を解消して参加するためにはどのような配慮・対策が必要とされるのか)
と言う具合に、

どうすればご本人の心身の機能・構造的特性を理解し、
活動に対する利便性を高める配慮をして、
活動に参加できる環境・条件を用意できるか?
というポジティブな捉え方です。

ですから具体的に言えば
車いすに乗っているのなら、操作しやすいように道路の舗装をして
活動の利便性を高めるために車イスゾーンや表示を増やして
その方が社会参加できるための対策を考えましょう、というベクトルです。

そう考えると今回の「市民の会」の主張がいかに、時代錯誤の主張かが納得できると思います。  

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